プレミアリーグ

ブライトンがアーセナルを撃破の理由&同対戦に見られる共通点とは

アーセナル FWガブリエウ・ジェズス 写真:Getty Images

第36節アーセナルVSブライトン:前半の試合展開

最終ラインから繋ごうとする両チームに対し、両チームともに前線からはめに行っていた、第36節アーセナルVSブライトンの前半の試合展開。

前半20分までの支配率は3-7でブライトンが優勢。ブライトンがこれまでの試合同様に最終ラインから細かくボールを保持し、アーセナルはショートカウンターを狙うという構図ができあがっていた。実際にアーセナルは前線からのプレスでショートカウンターを成立させ、決定的なチャンスを何回か作っていたが、決めきれずにいた。

意地でも後ろから繋ごうとするブライトンとは対照的に、アーセナルは無理せず前線にボールを送るシーンが多かった。そのロングキックは、FWガブリエル・ジェズスや両ウイングに向けられたもので、空中戦に分が悪いアーセナルはなかなかボールを収めることができず苦しんでいた。

一方、ブライトンは後ろから繋ぎつつも、チャンスがあれば前線にボールを送っていた。そのロングキックは主に2種類あった。1つ目はフィジカルに優れているFWエヴァン・ファーガソンに向けられているもの。2つ目はフィジカル勝負ではなく、反応速度やアジリティに優れているウインガーの選手に対して、スペースに流し込むものだった。


ブライトン MF三笘薫 写真:Getty Images

ブライトンが優れていた点は

最終ラインからのボール保持に合わせ、2種類のロングキックをうまく使ったブライトンには、自然とボールを保持する時間が増え、相手陣地に押し込む時間も多くあった。押し込んでからは左のウインガーがたくさん仕掛けてチャンスを演出。左ウイングを前半35分まではMFフリオ・エンシソが務め、それ以降は三笘が代わって攻撃を牽引した。

相手陣地に押し込むことだけでは第18節と同じだが、同試合ではそれに加え、前線の選手による強烈なプレスバックがあった。失ったらまず1人目がプレスをかけ、前線にボールを蹴らせないように牽制。その間にボールに集結し、アーセナルのボール保持になったら、陣形を作って侵入させない。最終的にはアーセナルにロングボールを蹴らせ、マイボールにする。前半は全体的にこのような試合展開だった。

さらにブライトンが優れていた点は、ファールの使い方だ。アーセナルがチャンスになりそうなタイミングでブライトンの選手がうまくファールでプレーを止めていた。アーセナルのファール数7に対して、ブライトンは10と多かったが、幸いこの試合ではあまりイエローカードが出されなかったので、その分ピンチを多く防ぐことができていた。


ブライトン DFペルビス・エストゥピニャン 写真:Getty Images

スコアが動いた後半

後半も基本的には同じような試合展開だが、前半とは違ってスコアが動いた。1点目は前半からチャンスを作っていた左サイドからだった。三笘の裏抜けでブライトンは一気に陣地を挽回。そこから三笘がドリブルで味方が上がる時間をつくると、外側を上がってきたDFペルビス・エストゥピニャンに絶妙なタイミングでパス。1度クロスは跳ね返されるも、2度目のクロスをエンシソが頭で合わせ、ブライトンがネットを揺らした。ペナルティエリア内でエンシソの後ろにいたDFヤクブ・キヴィオルは、ファーガソンとの接触で靴が脱げていたが、得点は認められブライトンが先制。

アーセナルは後半25分あたりになり、ようやく相手を押し込んだ攻撃がいくつか出たが、決定的なチャンスを多く作れずにいた。反撃をしたいアーセナルは、後ろから繋ごうとしたときに自陣で相手にひっかけてしまい2失点目。この後には前節まで見せていた全力でプレスバックするアーセナルの姿はなく、FWデニズ・ウンダブが余裕のある状態でシュート。ラムズデールが1度セーブするが、そのこぼれ球をエストピニャンに決められ3-0に。

ホームで1回しか負けていないアーセナルが、これでホーム2敗目を喫した。ブライトンの攻守の狙いが圧倒的に優れていた試合だったと言えよう。

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名前おれお
趣味:サッカー観戦
好きなチーム:リバプール

プレミアリーグを中心に週に2、3試合サッカー観戦しています。応援しているのはリバプールで、好きな選手はロベルト・フィルミーノです。

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