
2023明治安田生命J1リーグは早くも第12節を終え、同シーズンも残り3分の1以下となった。昨2022シーズン13位ながらも現在首位に立っているヴィッセル神戸とともに、序盤戦のサプライズとなっているのがアビスパ福岡だ。
2022シーズンは14位と最終節まで残留争いに巻き込まれたものの、今シーズンは現在7位の福岡。アウェイゲームではまだ勝利を手にできていないが、ホームゲームでは5試合で4勝1敗と無類の強さを誇っている。また、第5節(3月19日湘南ベルマーレ戦)以降は毎試合得点を挙げており、堅守を武器にウノゼロ(1-0)で勝利を重ねた昨シーズンまでとはやや異なる姿を見せている。
そんな福岡では、チーム最多6得点を記録するFW山岸祐也はもちろん、自称「人見知り」の2人がアクセントを加える存在だ。今シーズンから新加入となったMF紺野和也とFW鶴野怜樹に注目してみよう。

「博多のメッシ」MF紺野和也
FC東京に所属した3シーズン(2020-2022)でリーグ戦42試合(2019年の特別指定選手時代を合わせると46試合)に出場し、2023シーズンから福岡の一員となったMF紺野和也。
持ち味は、何といっても左足での細かいタッチと緩急で抜いていくドリブル突破だ。本家のFWリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)のように、トップスピードからの急減速でディフェンダーの逆を取り、1対2であっても中央を割ることができる。
得点は、第8節(4月15日)のアルビレックス新潟戦で得たPKの1点に留まるが、第9節(4月23日)の北海道コンサドーレ札幌戦や直近の第12節(5月7日)サンフレッチェ広島戦では、どちらも精度の高いクロスを送り、2アシストを記録。突破から紙一重のスルーパスを供給したり、セットプレーのキッカーとしても惜しい場面を演出するなど、必要不可欠な存在となっている。
また、第11節(5月3日)のFC東京戦では移籍後初となる古巣との対戦で、突破はもちろん高い守備意識、さらに終盤にはスタンドを煽るなど気迫を感じさせるシーンもみられた。

「パリ五輪代表候補」FW鶴野怜樹
もう1人の注目新加入選手は、数々のJリーガーを輩出している福岡大学出身のFW鶴野怜樹。2021年から2年間の特別指定選手期間を経て、2023シーズンから正式に福岡に加わった。大学3年次の9月に加入内定が発表された期待のルーキーであり、一瞬のスピードと突破力、ゴール前での嗅覚を武器に早くも出場機会を増やしている。
3月8日、JリーグYBCルヴァンカップ(ルヴァン杯)のグループリーグ第1節アルビレックス新潟戦でプロ初出場を果たすと、後半14分にスルーパスを受けゴール。プロ初得点にして決勝点を奪取した。さらに3月19日にはJ1第5節の湘南ベルマーレ戦に出場し、FW山岸祐也の決勝点をアシスト。チャンスを確実に活かして出場機会を獲得し、4月29日の第10節川崎フロンターレ戦ではリーグ戦初得点、続く第11節(5月3日)のFC東京戦でリーグ戦初スタメンと、着実にキャリアを築いている。
4月23日から実施されたU-22日本代表候補トレーニングキャンプにも召集された鶴野は、2024年に開催されるパリ五輪の日本代表入りも期待されている。
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