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リトアニアで新たな挑戦。MF鈴木惇、独占インタビュー【前編】

FKスードゥヴァ MF鈴木惇 写真:FK Sūduva

2023年1月末、鈴木のもとへ、リトアニア1部のFKスードゥヴァから正式オファーが届く。リトアニアリーグはJリーグと同様に春秋制であり「今ならシーズン前のタイミングで合流できる」と、オファーから1日で移籍を決断したという。

FKスードゥヴァは、2017年からリーグ3連覇した強豪だ。元日本代表の本田圭佑が在籍した(2021年9月から2か月間)クラブでもある。


FKスードゥヴァ 写真:FK Sūduva

リトアニアと日本のサッカーの違い

ーリトアニアの1部リーグで優勝するとUEFAチャンピオンズリーグの予選に出場できますよね。リーグとしてのレベルは、どのように感じていますか?

鈴木:日本とリトアニアのサッカーしか知らないですけど、全然種類が違います。単純にサッカーのレベルという枠で、どっちが上か下かと言うのは難しいですが、ボールタッチなどの細かい技術、パスを出すときに右足に付けるとか左足に付けるとか、そういう足元の技術は日本人が優れていると感じます。

でも、それがフィジカルレベルの上がったヨーロッパで、そのまま通用するかといえば、また違う難しさがあると思います。ノンプレッシャーでのボールの扱いとプレッシャー下でのボールの扱いの差で言えば、リトアニアの方が小さいような気がします。日本の良いところ、リトアニアの良いところはそれぞれ違うので、単純比較は難しいですね。

ーでは、リトアニアサッカーの良いところを教えてください。

鈴木:まずは、プレッシャーがある中でもブレない技術ですね。細かいボールタッチや、フリーでボールを扱ったりする部分は日本人の方が上手いと思うんですけど、横に相手がいるプレッシャー下でも同じようにプレーできるかどうかはまた違う話です。フリーの時とそうじゃない時の差、プレッシャーがあっても自分の技術を出せるというのは、もしかすると技術だけじゃなくて、メンタルも含めた強さかもしれません。

そこはリトアニアの方が優れていると思うし、ゴール前の攻防は、日本にはない激しさがありますね。単純に体のサイズも大きいですし、空中戦の競り合いや、ゴール前でのポジション取りだとかはリトアニアに来てその激しさを目の当たりにしました。

あとは、サッカーの根本の部分というか「ボールを持ったらまずゴールに向かってプレーする」「シュートが打てるならシュートする」「積極的にボールを奪いに行く」そういうパワーは、リトアニアの方があるような気がします。だからこそ、駆け引きがしやすい部分でもあるんですけど。

ー国によって、1対1の重要性を強く言われることもありますが、リトアニアはいかがですか?

鈴木:チームによると思うんですが、スードゥヴァの場合、もちろん「1対1に負けるな」と言われますけど、それよりも、チームで動くことがかなり求められますね。まだ公式戦は4試合しかやっていないんですけど、マッチアップさせて1対1を大事にするチームもあれば、まずゾーンとしてのポジション取りを大事にしているチームもあります。「デュエル、デュエル」というのは、そこまで感じていないですね。

ー練習の取り組み方やピッチで大事にしている部分など、何か違いは感じますか?

鈴木:練習をやっていて、国ごとの差や違いはそんなに感じないですね。やることは特に変わらないです。そういえば、こっちの選手は練習の時、長いソックスを履かず、スネあてもしません。今はもう慣れましたけど、最初はちょっと怖かったんですね。でも、そんなの関係なく結構バチバチやるので、足の傷はちょっと増えました(笑)みんな、レガース(スネあて)をしていないのに、結構激しいんですよ。最初は迷って長いソックスを自分で用意してたんですけど、早く馴染むためには、とりあえずみんなと同じようにやってみようと思って、長いソックスもスネあてもなしでやっています。その点が日本と違うくらいで、他にあまり違いはないですね。

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名前椎葉 洋平
趣味:サッカー観戦、読書、音楽鑑賞
好きなチーム:アビスパ福岡、Jリーグ全般、日本のサッカークラブ全般

福岡の地から日本サッカー界を少しでも盛り上げられるよう、真摯に精一杯頑張ります。

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