2人の海外監督からの影響
福田氏は、非常に影響を受けた人物として自身が関わった2人の海外監督を挙げた。
1人目は、日本代表時代に代表監督に就任したオランダ出身のハンス・オフト監督(1992-1993)である。「オフトの視点は、いつも選手の良い点をとても見てくれていた。特に、得意なことをやらせてくれたという事、そして、あるものを最大限に活かすという事、この2つが今までの監督とは違った指導方法だった」と福田氏は語る。
この方法から同氏が見出したのは、得意なことを活かすことで選手は自然と成功体験を得やすくなり、それが自信へと繋がっていくということ。自信が持てるようになると、苦手なことにも挑戦しようとする勇気が生まれてくるということ。前向きな循環が自然と構成されるということだった。
2人目は、浦和時代(1992-2002)に指導を受けたドイツ出身のホルガー・オジェック監督(1995-1996、2007-2008)だ。「オジェックがいなかったら、今の立場の自分は居なかったと思う」と力強く語る福田氏。95年に同監督が就任する前は、自身の強みや得意なことを活かしきれず不調が続いていた。しかし同監督は就任後各選手に明確な役割を与え、福田氏には「君は点を取ること」と、試合中に何を重視してプレーをすれば良いのかをしっかりと伝えたという。
そして福田氏が重要だと感じたことの1つに、同監督が選手をちゃんと評価することを挙げている。「オジェックは選手の役割を明確にするだけでなく、常に選手たちを見ているし、見ているからということを選手に気づかせちゃんと評価をしてくれる。それを感じた時に大きな安心感を得ることができた」と語った。実際に当時の福田氏は、同監督就任後に勢いを上げてリーグで得点を挙げ、遂に日本人初の得点王(1995)となったのである。
運を引き寄せるヒント
講演の終盤に、福田氏は「運」について少し話をしてくれた。サッカーはコイントスからスタートするというのもあって、意外と運との繋がりがあるという。
運を引き寄せる為のヒントとして、例えば選手が対戦相手や環境を安易に変えることはできないが、唯一自分自身をはコントロールできること。ネガティブな言葉を言い換えて「自分はやればできる。もっと頑張れる」など、自分をポジティブな状態にしていくこと。そして何より、笑顔が自分にとっても相手にとっても心の余裕に繋がることが挙げられた。
この方法は、サッカーに限らず様々な業界に通じ、生活のヒントにもなりそうだ。講演を通じての福田氏自身の笑顔とポジティブな言葉選びは、現役時代から現在、そして今後への運を引き寄せていると感じた。これからの活躍にも大注目だ!
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