セリエA ミラン

ミランの10番が奮闘。痛恨ドローのローマ戦で見えたロッソネロの好材料【試合分析】

ミラン MFアステル・ブランクス 写真:Getty Images

浮き彫りとなったミランの課題は

前述のディアスの好プレーにより、ローマの2ボランチをある程度揺さぶっていたものの、試合全体を通じてサイドチェンジのパスが少なかったミラン。右サイドバックのダビデ・カラブリアと、センターバックのカルルの間にMFイスマエル・ベナセルが降りる場面があったが、ここからのサイドチェンジをもう少し織り交ぜていれば、3点目を狙いやすく、よりローマにボールを奪われにくい展開になっていただろう。これはロッソネロが突き詰めるべきポイントのひとつと言えそうだ。

首位ナポリの追走やセリエA連覇に向け、セットプレーの守備の改善が急務であることは言うまでもない。1失点目のコーナーキックではゾーンディフェンスでゴールエリア付近を堅めていたが、守備ブロックの外側から侵入してきたイバニェスを捕まえきれず。2失点目のフリーキックでも、1失点目と同様の流れでマティッチにヘディングシュートを許してしまった。

このフリーキックの直前にMFアステル・ブランクスが犯した、ディバラに対するプッシングの反則も不用意と言える。自陣での不必要なファウルを無くすことと、ゾーンディフェンスの外側から侵入してくる相手選手のマークの整備が、今のミランの課題だ。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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