ミラン チャンピオンズリーグ

変幻自在の攻守でザルツブルクを破壊。ミランはCLで台風の目となり得る【試合分析】

テオ・エルナンデス(左)ステファノ・ピオリ監督(中)オリビエ・ジルー(右)写真:Getty Images

2022/23シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ・グループステージ最終節が11月3日(日本時間)に行われ、グループEのミランとレッドブル・ザルツブルクが対戦。

前半14分に、ミランのFWオリビエ・ジルーがサンドロ・トナーリのコーナーキックにヘディングで合わせ、先制ゴールをゲット。後半1分にも、右サイドハーフのアンテ・レビッチのクロスにジルーがヘディングで反応し、ペナルティエリアに侵入したラデ・クルニッチにパス。このボールを受けた29歳のボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFがヘディングシュートをゴールに突き刺し、ミランがリードを2点に広げた。

その後もミランが相手ゴールを脅かし、同12分には左サイドハーフのラファエル・レオンが右サイドへの長距離ドリブルでチャンスメイク。レオンのクロスのこぼれ球をジルーが押し込むと、アディショナルタイムには右サイドを駆け上がった途中出場のFWジュニオール・メシアスがカウンターを結実させ、勝負あり。同クラブが4-0でザルツブルクを下している。

最終節での大勝により、9シーズンぶりにチャンピオンズリーグの決勝ラウンドに駒を進めたミラン。ハイプレスからの速攻が得意なザルツブルクを、いかにねじ伏せたのか。この点について分析する。


ミランvsザルツブルクのスターティングメンバー

ミランの形状変化が奏功

[4-2-2-2]の布陣でハイプレスを仕掛けてきたザルツブルクに、ミランは最終ラインの形状変化で対抗。

左サイドバックのテオ・エルナンデスを高い位置に上げ、フィカヨ・トモリ、シモン・ケアー、ピエール・カルルで変則3バックを形成。相手の2トップ、チュクビケ・アダムとノア・オカフォールとの“3対2”の数的優位を確保したうえで、自陣後方から攻撃を組み立てた。

相手の2トップの両脇に立つ、カルルやトモリがボールを前方へ運ぼうとしていたほか、ミランの変則3バックにザルツブルクが2トップとマウリッツ・ケアゴールの計3人でハイプレスを仕掛けた際には、主にカルルやGKチプリアン・タタルシャヌが前線にロングボールを供給。後方からの浮き球のコントロールが得意なレビッチ、クルニッチ、レオン、ジルーの躍動によってミランの速攻が機能し、ザルツブルクのハイプレスは幾度となくいなされた。

前半2分30秒すぎには、タタルシャヌのロングパスがレオンやレビッチに渡り、左サイドを駆け上がったエルナンデスがポスト直撃のシュートを放っている。ミランの狙いが如実に表れた場面だった。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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