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J1福岡・副社長就任の裏で…立石敬之氏の経営手法をSTVV退団選手非難

立石敬之氏(写真中央) 写真:Getty Images

 ベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)の立石敬之CEO(最高経営責任者)は今月5日、明治安田生命J1リーグ・アビスパ福岡の副社長に就任。取締役執行役員としてSTVVのCEOと兼務することが決まった一方、今月はじめまで元日本代表MF香川真司(33)らとチームメイトだったMFクリスティアン・ブルース(34)から批判を浴びている。

 STVVの経営権は、2017年11月にインターネット関連の事業を手掛ける合同会社『DMM.com』が取得。『DMM.com』の幹部である立石敬之氏は、MF鎌田大地(26)やMF遠藤航(29)などカタールW杯日本代表選手を輩出したほか、元日本代表のMF香川真司やFW岡崎慎司の獲得でも注目を集めている。

 ただ一方で、現地では以前からSTVVの日本人幹部に対する批判が噴出。昨年9月にはSTVVが決定力不足に陥っている現状をうけて、ベルギーのスポーツジャーナリストであるステフ・ワイナンツ氏が「強力なストライカーがいないため、グラウンダーのパスを繋ぎ続けないといけなかった。同じプレーを繰り返している」

 「同じことは言いたくないが、日本人幹部はこの課題を分かっていたはずだ。攻撃陣の補強を行うべきだった」と、日本人幹部による補強戦略に苦言を呈していた。

 そんなSTVVは今月6日、ブルースがベルギー1部ズルテ・ワレヘムへ完全移籍すると公式発表。2021年1月のSTVV加入以降、中盤の主力選手としてチームを支えてきたブルースはベルギー紙『Het Belang van Limburg』のインタビューにて「アンドレ・ピント(STVVのスポーツディレクター)は、あのクラブで驚異的な仕事ぶりを発揮している。だが立石敬之CEOはSTVVに関与していない」と語っている。

 また『Het Belang van Limburg』は同選手の言葉をうけて「ブルースがSTVVの日本人幹部を非難した」と綴っている。

 なおSTVVはアビスパ福岡や北海道コンサドーレ札幌など、Jリーグ複数クラブと業務提携を結んでいる。日本人選手にとって欧州移籍への玄関口であるSTVVだが、現地では依然として日本人幹部の経営に否定的な意見があるようだ。