Jリーグタイトル奪還に向かう、鹿島アントラーズの精力的な選手補強が話題となっている。
2022シーズンを最終順位4位で終えた鹿島。シーズン前にはベルギーで活躍していたFW鈴木優磨が帰還。また、クラブ初の欧州監督としてレネ・ヴァイラー監督を招聘し、2016年以来となるリーグ王者を目指していた。しかし、シーズン途中にエース上田綺世(サークル・ブルッヘ)が海外へ移籍。さらに夏の成績低迷もあってか、ヴァイラー監督の電撃解任にまで至った。Jリーグ随一の常勝軍団にとっては、上位とはいえ不本意なシーズンだったと言えるだろう。
世間の注目がFIFAワールドカップカタール(カタールW杯)へと移る中、鹿島は2023シーズンに向けいち早く動き出しを見せていた。ここでは、2022年中に発表された鹿島の移籍情報に基づいて、来季の展望をポジションごとに3段階(A~C)で評価していく。
GK:評価C
ゴールキーパー(GK)に関しては、2022年内は大きな選手の動きは見られなかった。2022シーズン鹿島で最もピッチに立ったのはGKクォン・スンテだが、38歳と大ベテランになってきており、次世代の育成は急務だ。
そんな中、新たにU-18韓国代表のGKパク・ウィジョンが加入することが決定。現有戦力のGK早川友基、GK沖悠哉と同世代の実力者2人に加え、三つ巴の後継者争いに注目したい。しかし、リーグ制覇はもちろん、複数タイトルを求められる常勝軍団にとって、クォン・スンテが使えない場面でも頼れる中堅世代がいないのは不安要素と言える。
DF:評価B
まず現在のところ両サイドバックに移籍情報は出ておらず、順当に行けば昨2022シーズン同様、右はDF常本佳吾、左はDF安西幸輝が勤めることが既定路線だ。しかしバックアップに不安が残る。昨季も度々両サイドはDF広瀬陸斗が出場していたが、湘南ベルマーレにレンタル移籍していたDF杉岡大暉が完全移籍することとなり、人材が豊富とは言えない状況にある。
キーとなるのはサンフレッチェ広島から獲得したMF藤井智也の存在だ。高い位置でスピードを生かした仕掛けが魅力ではあるが、両サイドを器用にこなせることから状況に応じて1列下での起用も考えられるだろう。
一方で、最も大きな変化が見られるのは何といってもセンターバック。思えば2022シーズン開幕前、前年までの主力であったDF犬飼智也(浦和レッズ)とDF町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)が抜けたことで最も不安視されたポジションだ。シーズン中は鹿島の支柱、MF三竿健斗が従来より1列下がってくることで安定感を保った印象だったが、その三竿が海外挑戦することがすでに決定している。
そんな中、かつての守備の要であるDF昌子源とDF植田直通の帰還が報じられた。鹿島のファン、サポーターとしては極めて微妙な心境だろう。今のところ現有戦力のDFキム・ミンテ、DF関川郁万らの移籍の話も聞こえておらず、守備面における中央の不安はかなり払拭されたと言ってい良い。
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