セリエA ローマ

中田英寿も批判対象に…ローマのセリエA優勝にユベントス元幹部恨み節

中田英寿 写真:Getty Images

 かつてユベントスのゼネラルマネージャー(GM)を務めていたルチアーノ・モッジ氏が今月27日、ユベントスの株主総会に参加。サプライズで登壇すると、ローマによる2000/01シーズンのセリエA優勝を非難。当時ローマで活躍していた元日本代表の中田英寿氏に関わるルールにも批判の矛先を向けた。イタリアメディア『ローマ・ニュース』が伝えている。

 モッジ氏は、1993年から2006年にかけてユベントスのGMを担当。しかし1990年代後半から2000年代前半にかけてのカルチョ・スキャンダル(カルチョーポリ)の主犯格とされ、サッカー界での活動禁止処分を受けていた。

 そんなモッジ氏は古巣クラブの株主総会に参加した際、過去の悔しいエピソードを回顧。ローマのセリエA優勝について「このクラブは自己防衛したことがない。多くの人々の掌(てのひら)のおもちゃだ。”お前らが泥棒だ”とよく言われるが、このクラブはピッチの中でずっと勝利を収めてきた。むしろ、他のクラブが我々から勝利を奪ったのではないのだろうか?」

 「ペルージャの時もそうだったし(1999/00シーズン、大雨により1時間以上試合開始が遅れ、ユベントスがペルージャに敗北。ラツィオがセリエA優勝)、翌年のローマ戦もそうだった!あの時、ローマは中田英寿によって勝利したが、ローマは当時にあった外国人選手枠に関するルールに変更をかけたんだ」と強く非難。中田英寿をはじめとする外国籍選手の影響が大きかったとの見解を示している。

 なお、当時のセリエAではEU圏外枠選手のベンチ入りは最大3人までだったが、ローマはアルゼンチン代表FWガブリエル・バティストゥータやDFワルテル・サムエル、ブラジル代表DFカフーとMFマルコス・アスンソン、中田英寿と外国籍選手を5名抱えていた。

 またバティストゥータが驚異的な決定力を兼ね備えていたほか、サムエルとカフーが守備陣で欠かせない存在だったこともあり、中田英寿は出場機会に恵まれていなかった。

 ところがユベントス対ローマ戦の直前に、EU圏外枠選手のベンチ入り制限が突如撤廃。ローマはユベントス戦で前半を0-2で終えたが、イタリア代表MFフランチェスコ・トッティにかわって後半キックオフからピッチに立った中田英寿のゴールにより、試合の流れが一転。

 日本代表選手の活躍もあり、ローマはセリエA優勝争いのライバルであるユベントスに引き分け。首位の座を守り抜き、見事リーグ優勝を果たしたのだ。