
モロッコ代表のワリド・レグラギ監督が負傷したサイスを交代させ、布陣を[4-1-4-1]に変えた前半21分以降も、フランス代表は堅固な中央封鎖守備を披露。同35分にはジルー、グリーズマン、ユスフ・フォファナの3人でセリム・アマラーを囲み、センターサークル付近でオーレリアン・チュアメニがボールを回収。同選手がボールを敵陣へ運び、ムバッペにスルーパスを送ったことで決定機が生まれた。

この攻撃シーンの直前にも、ジルー、グリーズマン、ムバッペが中央を封鎖し、相手最終ラインからのパスをサイドへ誘導している。サイドから中央に戻ってきたボールを、チュアメニとフォファナの2ボランチが狙うという約束事も、試合全体を通じて徹底されていた。

センターサークル近辺でボールを奪いきれない場面では、グリーズマンが自陣後方へ降りて守備対応。この試合で両軍の選手中最多のキーパス(4本。味方のシュートに繋がったパス。数値はデータサイト『Sofascore』より)を叩き出したレ・ブルーの背番号7は、時折自陣ペナルティエリアまで下がるなど、守備面でも気を吐いた。

後半2分には同選手がハーフウェイラインから帰陣し、アマラーからボールを奪う。直後の同選手からエルナンデスへのパスがロングカウンターの起点となっている。この試合に限らず、今大会ではグリーズマンの攻守両面における献身性が光っており、これは今のフランス代表の大きな武器だ。
前述の中央封鎖に加え、グリーズマンを[4-4-2]の2列目に組み入れての撤退守備も板についてきたレ・ブルーが、決勝でリオネル・メッシ擁するアルゼンチン代表をも手玉に取るかもしれない。
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