Jリーグ ヴィッセル神戸

神戸復帰報道も…リンコンに母国残留の可能性が。クルゼイロ幹部注目発言

リンコン 写真:Getty Images

 明治安田生命J1リーグ・ヴィッセル神戸からブラジル2部クルゼイロへレンタル移籍中の元U20ブラジル代表FWリンコン(21)は、レンタル打ち切りにより今冬にもヴィッセル神戸へ復帰する可能性が取りざたされている。そんな中、クルゼイロ幹部は同選手の去就について自身の考えを明かした。9日、ブラジル国内のラジオ局『Radio 98FM』が伝えている。

 リンコンは昨年1月、ブラジル1部CRフラメンゴからヴィッセル神戸へ完全移籍。ただ来日1年目から左ハムストリング肉離れによる戦線離脱などコンディションで不安を抱えると、今季はミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の就任した4月以降に出場機会が減少。6月以降ほぼ全試合でベンチ外となると、8月11日になってクルゼイロへのレンタル移籍が正式決定していた。

 しかしクルゼイロ加入後も、ブラジル2部リーグ戦で13試合中4試合の先発出場で1ゴール。クラブが1部昇格を果たす中、ベンチ要員に甘んじている。

 そんなリンコンの去就については、クルゼイロの移籍情報を専門に扱うサムエル氏が今月7日に「ヴィッセル神戸からレンタル移籍のリンコンは、来季クルゼイロに在籍しないことが決まっている。契約上、クルゼイロは彼をヴィッセル神戸へ返却する可能性がある」とツイートしていた。

 するとクルゼイロのディレクター職を務めるペドロ・マルティンス氏は『Radio 98FM』の取材に応じた際、現有戦力の去就について問われると「リンコンは来年1月までの契約を結んでおり、契約更新の可能性がある。現時点で明らかなのは、我々が契約更新のための条項を発動していないということだ」と、同選手が来季もクルゼイロでプレーする可能性に触れている。

 ただ一方でマルティンス氏は「選手を残留させるか退団させるかを決断する時、我々はチーム全体の要求レベルを引き上げて、ブラジル1部挑戦による困難を克服できるのが誰なのか見極めることになる」とコメント。来季ブラジル1部の舞台で戦うこともあり、現有戦力を一部入れ替える方針も打ち出した。

 リンコンのレンタル移籍に関する取引内容については、ヴィッセル神戸が年俸の一部を負担しているとブラジル国内で報じられている。またヴィッセル神戸は同選手と年俸80万ドル(約8300万円)による3年契約を結んでいるほか、2年間の契約期間延長オプションが盛り込まれているとのこと。CRフラメンゴには移籍金やボーナスなど総額総額300万ドル(当時約3億3000万円)を支払ったとみられ、ヴィッセル神戸サポーターからは同選手のパフォーマンスが移籍金に見合わないという批判が沸き起っている。

 なおヴィッセル神戸は9日までにFW藤本憲明(33)やGK飯倉大樹(36)が契約満了により今季限りで退団することを公式発表している。J1残留を果たしたとはいえ複数選手の入れ替えが予想される中、リンコンの去就にも引き続き注目が集まっている。