セリエA

ナポリから漂う独走の気配。アタランタのマンツーマン守備も超越【試合分析】

ナポリ MFスタニスラフ・ロボツカ 写真:Getty Images

進化し続けるナポリのパスワーク

ロボツカをはじめとする3セントラルMFが密着マークを受けた際の対策が熟れてきたナポリ。

10月24日(日本時間)のセリエA第11節でも、アタランタと同じく[3-4-1-2]の布陣を敷いたローマのハイプレスに晒され、ロボツカ、タンギ・エンドンベレ、ジエリンスキの3セントラルMFがマンマークに遭ったが、ディ・ロレンツォとオリベラが自軍のビルドアップを下支え。この2人が攻撃時にハーフスペース近辺にポジションを移し、ローマの両ウイングバックがアプローチしにくい状況を作ったことで形勢が傾いただけでなく、この試合でもディ・ロレンツォの自陣からのパスが起点となり、オシムヘンのゴールが生まれている。自陣後方でパスを回しながら相手選手を誘い出し、この瞬間に前線へ中長距離のパスを送って速攻を成立させる“擬似カウンター”という戦法が、板についてきた。

知将ルチアーノ・スパレッティの指導により攻撃の選択肢が増えているナポリは、今シーズンのセリエA13試合消化時点で11勝2分けと、無敗をキープ。同リーグで既に6得点、軽快なドリブルで相手DFを翻弄するクビチャ・クワラツヘリアが欠場したなかでも攻撃が機能したことは、彼らにとってより大きな自信に繋がるだろう。南イタリアの名門が、このまま独走態勢に入るかもしれない。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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