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日本人プレイヤーと縁深い、セルティックの5つの魅力

セルティック・パーク 写真:Getty Images

魅力3:スタジアム

スコットランドではトップを誇る大規模スタジアム! 

セルティックのスタジアムは、グラスゴーのパークヘッドエリアにあるセルティック・パークだ。スコットランド内では最大規模のサイズで、イングランドを含めた全土に存在するすべてのスタジアムを大きさ順にランキングした場合、第7位にランク付けされるほど存在感を放っている。収容人数は、60,832人で全席座席付きだ。クラブは観光の視点でもスタジアムを上手く活用していて、例えば、広くクラブの歴史を知ってもらえるようにスタジアム見学ツアーを開催しているのだが、単純に見るだけではなく、5種類のユニークなパッケージツアーが存在する(2022年10月時点ではコロナウイルスの影響のため一時中止の状態)。

その中には、ブレックファーストクラブという朝食と温かい飲み物付きの見学ツアーや、スタジアム近くの450年以上の歴史を持つウェルパーク醸造所で、スコティッシュビールを楽しむツアーもある。さすがスコットランド!スタジアムの存在を活かしながら、地域全体を盛り上げ活性化させている取り組みは、他クラブの見本のようにも感じる。これを魅力といえない訳が無い。


セルティックサポーター 写真:Getty Images

魅力4:サポーター

“人生ひとりではない”900万人のサポーターがいる!

セルティックサポーターなら誰もが大切にしている曲『You’ll Never Walk Alone(人生ひとりではない)』。そのタイトルの通り、セルティックのサポーターは確固たる団結心を持ち、2003年時点で世界中に約900万人、そして20か国以上に160以上のサポーターズクラブが存在する。人生ひとりではなく、国境を超えて膨大な数のサポーターがセルティックという共通点で結びついている。

非常に印象的な出来事として、2003年セルティックがUEFAカップの決勝へ勝ち進んだ際に、約80,000人のサポーターがスペインのセビリア会場を訪れた。残念ながらセルティックは試合に負けてしまったのだが、サポーターはフーリガンのような激しい暴動も起こさず、それが「非常に忠実でスポーツ的な行動」として FIFAとUEFAからフェアプレー賞を受賞。同時に、他クラブサポーターの模範生のような姿勢に各国メディアからは称賛の声が届いた。

さらにセルティックサポーターは、スコットランドの他クラブサポーターと比較するとホームでの平均出席率が最も高い。そんじょそこらの想いとは別格なんだ!というサポートの強さと、同じくらいの優しさと律儀さが共存しているのが凄さだ。2017年10月、遂にセルティックのサポーターは、クラブのヨーロピアン・カップ優勝50周年を記念し、FIFAファンアワードを受賞。セルティックの魅力はサポーター無しには考えられないだろう。


アンジェ・ポステコグルー監督 写真:Getty Images

魅力5:ユニークな取り組み

宝くじで未来のセルティックスターを育成!

セルティックは、他クラブにはあまりないエンターテインメント型の資金調達を行なっている。それはなんと、宝くじだ。将来のスタープレイヤー誕生を目的に、クラブではユースの育成に力を入れているのだが、それをサポーターと共に協力して一緒にクラブの未来を築いていく方法を実践。要は、サポーターに宝くじを購入してもらい、その資金を育成金へと割り当てる仕組みを採用している。くじを購入すればするほど未来のスターへの教育が潤い、充実したものへと変わっていく。

公式宝くじは「セルティック・プール」という名で、今から約50年以上も前からクラブの伝統事業として行われてきた。1964年にスタジアムで小さな抽選会からスタートし、現在ではユースアカデミーの重要な資金源となるまでに至った。セルティック・プールには3つの主な賞品があり、最大で25,000ポンド(約420万円)の賞金や、 豪華な品物やクラブイベントのチケット、その他にはVIP体験などが用意されている。

とても興味深い宝くじだが、イギリスとアイルランドのセルティックサポーター限定のお楽しみギャンブルのため、日本人サポーターの購入は残念ながら今のところ不可だ。しかし、将来的に国籍を問わず購入可能となれば是非試してみたいもの。セルティックの長い歴史の背景に、こんなユニークなエンタメ要素を含む取り組みが存在したことに驚きの魅力を感じる。

まだまだ奥が深いセルティックだが、ここで挙げた5つの魅力は日本人プレイヤーたちもきっと感じていることだろう。

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名前:Molly Chiba
趣味:自然散策、英国のあれやこれやをひたすら考えること
好きなチーム:トッテナム・ホットスパーFC

東北地方の田園に囲まれ育ちました。英国のフットボール文化や歴史、そして羊飼いやウールなどのファッション産業などに取り憑き、没入している日本人女性です。仕事のモットーは、伝統文化を次世代に繋ぐこと。

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