2022/23シーズンのセリエA第10節が10月16日(日本時間)に行われ、ラツィオとウディネーゼが0-0で引き分けた。
第9節終了時点で同リーグ4位と、快進撃を続けているウディネーゼ。第8節スペツィア戦と第9節フィオレンティーナ戦で4ゴールずつを挙げた3位ラツィオの攻撃を、いかに封じ込めたのか。まずはこの点について分析する。
ラツィオのパスワークのキーマンを封じる
自陣後方からショートパスを繋ぐ基本布陣[4-1-2-3]のラツィオに対し、ウディネーゼは[3-5-2]の守備隊形で応戦。
ジェラール・デウロフェウとベトの2トップが、ラツィオの中盤の底ダニーロ・カタルディへのパスコースを塞ぎながら、ニコロ・カザーレとアレッシオ・ロマニョーリの2センターバックに睨みをきかせる。ラツィオの左インサイドハーフ、マティアス・ベシーノにはラザール・サマルジッチが密着マークを行ったほか、右インサイドハーフのセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチにも、ジャン・ビクトル・マケンゴとワラシが適宜マークを受け渡しながら対応。中盤に降りてパスを受けようとしたラツィオの左ウイングFWマッティア・ザッカーニには、ロドリゴ・ベカンが最終ラインから飛び出す形で対抗した。
ラツィオのパスワークを敵陣や中盤で抑えきれなかった場面では、ロベルト・ペレイラとデスティニー・ウドジェの両ウイングバックが最終ラインに降り、[5-3-2]の隊形で自陣に撤退。メリハリのある守備でラツィオのパスワークを停滞させた。
ウディネーゼの守備が一瞬崩れたのが、ラツィオの右ウイングFWフェリペ・アンデルソンに最終ラインの背後を突かれ、GKマルコ・シルベストリ強襲のシュートを放たれた前半25分すぎの場面。ここではミリンコビッチ・サビッチが右のハーフスペース(ペナルティエリアの両脇を含む、左右の内側のレーン)に立ち、マヌエル・ラッザリからのパスを受け取り。ウディネーゼのDFネウエン・ペレスを釣り出したうえでアンデルソンにパスを送っている。
前半27分すぎにも、ミリンコビッチ・サビッチ自身がペレスの背後に走り込み、惜しいヘディングシュートを放つ。ウディネーゼにとっては肝を冷やした約2分間であり、ラツィオとしてはこの時間帯のチャンスを物にしたかった。
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