
入場料収入
いわゆるチケット代に当たる、入場料収入。2021年度最も入場料収入を得たクラブは横浜F・マリノスで6億5400万円、最も少ない入場料収入となったのは徳島ヴォルティスで1億6700万円であった。
2020年度は先行き不透明な新型コロナウイルスの脅威によって、スタジアムへ足を運ぶことすら不安があったが、クラブの努力も実を結び入場料収入は前年度比45%増加。特に平均値である4億1700万円以上の収入を得ることができたクラブは、サポーターや地域住民との関係性が良好であると言及することができるだろう。

人件費
所属選手や監督、クラブスタッフたちの人件費。2021年度最も多くの人件費を計上したクラブはヴィッセル神戸で50億5200万円、最も少ない人件費の計上となったのはベガルタ仙台で11億5600万円であった。
やはり大物選手を多数揃える神戸の群を抜いた人件費が目立つが、J1クラブ全体を通しての人件費は6.6%上昇しており全体的な底上げとなった。思うような収益が見込めない時に「経費を削る」というのは健全な経営を行う上で鉄則だが、それと引き換えにクラブの弱体化に繋がりかねないため、そのバランスを見極めることこそ真髄であると考える。
しかしながら、フットボールは面白いことに「どれだけ人件費を費やして大物選手を揃えても強くなれない」ことがある。神戸やガンバ大阪の現在の順位に特に現れている。もちろんその逆のケースも存在し、J1クラブ平均以下の人件費であるサガン鳥栖の健闘は、どれだけ称賛してもしきれない実績と言えるだろう。

営業利益
本業から得られた収益である「営業収益」から、人件費や試合運営費などといった経費を差し引いた「営業利益」はどうなっただろうか。
新型コロナウイルスの影響はまだまだ深刻であり、川崎フロンターレ、名古屋グランパス、鹿島アントラーズ、清水エスパルス、徳島ヴォルティスの5クラブを除いては、赤字で利益を出すことができていない。逆にはこうした社会情勢の中でも黒字で着地した5クラブの経営は非常に優秀であると言える。
今後はJ1クラブ平均営業利益額である2億5000万円の赤字をいかに縮小していくかが課題になると考える。また余談だが、ヴィッセル神戸は-31億3800万円の営業利益を計上しているが、およそ33億円もの特別利益を計上できたことにより、純利益においては4700万円の黒字で着地している。
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