エデン・アザール
現在まさに暗黒期の真っ只中にいる選手の1人が、レアル・マドリードFWエデン・アザールである。誰にも取られないドリブルや小回りの利く方向転換、決定力も備えたアザールは、攻撃オプションとしてどのクラブも欲しがるスター選手だ。
リール(2007-2012)やチェルシー(2012-2019)時代に形成された唯一絶対の特徴は、分かっていても止められないドリブル。欧州5大リーグトップのドリブル突破成功率(61.61%)を誇り、難しいプレミアリーグでも長きに渡り活躍し大きな名声を得た。チェルシーのUEFAヨーロッパリーグ優勝(決勝でマン・オブ・ザ・マッチの活躍)を置き土産に、2019年6月にマドリードへの移籍を果たしている。
ところがマドリードでは、それまでのアザールを目撃することができないまま現在に至っている。特には度重なる怪我に悩まされ、結果どころかコンスタントな出場さえ難しい状況。チームが変わるだけでここまで変わるのかと驚きを隠せないのが率直な意見だ。「あの時」のようなアザールを再び目撃することができるのか、今後の動向には高い関心が寄せられる。
杉本健勇
Jリーグでは、FW杉本健勇も忘れたい過去を持った1人と言えよう。187cmの長身を活かし、空中戦にも強く、日本人顔負けのポストプレーも魅力な選手だ。2012年に東京ヴェルディでブレイクした杉本は、若くして長身ストライカーの代表格に成り上がり、復帰したセレッソ大阪(2013-2014、2016-2018)でもその実力を遺憾なく発揮。
順風満帆なキャリアを築きつつあった杉本にとって、その後、浦和レッズで過ごした期間(2019-2021)は闇に葬りたくなる時間となったに違いない。Jリーグ強豪の主力として鳴り物入りで加入したが、移籍後のシーズン前半ではわずかPK1得点に留まり、苦悩の日々が続いたことが明かされている。
その後、横浜F・マリノスへ期限付き移籍(2021)するなど環境を変えながら自身のキャリアを回復させようとしている杉本。現在は、ジュビロ磐田へ期限付き移籍(2022-)しているが、今2022シーズンは未だゴールネットを揺らしていない。
ニコラ・ぺぺ
華麗なボールさばきと鮮やかなドリブルが魅力のFWニコラ・ペペ。リール時代(2017-2019)は得意のドリブルからゴールもアシストもでき、右サイドをほしいままにしていた。22ゴール11アシストを記録した2018/19シーズンは、本当に誰にも止められない怪物級のドリブラーに急成長。そんなホットな選手を獲得したのがアーセナル(2019-)だった。ペペの加入によりアーセナルの攻撃力が底上げされると誰もが予想していた。
しかし、まさかにペペとってアーセナルでの生活が暗黒期になることは、誰も予想することはできなかったことだろう。独りよがりのプレーや不用意なボールロストが目立ち、次第に自信を持ってプレーすることが困難になった。
今2021/22シーズンは若手選手の台頭により、アーセナルではカップ戦要員にまで序列が下がってしまったペペ。ただ一方で、コートジボワール代表として出場する国際試合ではチームの中心として実力を発揮している。自身のためにも一刻も早くアーセナルを離れ、パフォーマンス向上が見込める居場所探しを始めたほうがいいかもしれない。
コメントランキング