Jリーグ

過酷なJ1残留争い。降格圏の4チームが残留するためのシナリオとは

ベガルタ仙台のサポーター 写真提供:Gettyimages

19位・ベガルタ仙台が残留するためには

勝ち点27。16位の清水エスパルスとは勝ち点差6の19位のベガルタ仙台。現在2試合勝ちなしで、ここ10試合でみても2勝2分6敗と調子の上がらない時期が続いている。主力のMF松下佳貴を負傷で欠くチームの状況と照らし合わせても、かなり難しい状況にある。残り試合の対戦相手は15位の湘南ベルマーレ、8位のアビスパ福岡、4位の鹿島アントラーズだ。

第36節で対戦する、湘南ベルマーレとの勝ち点差は6。仙台のヤクブ・スウォビク、湘南の谷晃生。Jリーグを代表するGK対決に勝利し、勝ち点差を3に詰めることができれば望みは見えてくる。

第37節の相手はアビスパ福岡。堅守が持ち味のチームで、90分間落ちない走力が強み。ただ前半は得点力に乏しく、サイドを攻略して前半のうちに先制することで試合を優位に進められるはずだ。

最終節の相手は鹿島アントラーズ。現在3連勝中と非常に好調なだけに、第36節、第37節に勝利し引き分けでも残留の可能性がある状況にしておきたい。そうすればホームのサポーターの後押しを力に変え、拮抗した試合に持ち込むことも可能なはずだ。


横浜FCのサポーター 写真提供:Gettyimages

20位・横浜FCが残留するためには

勝ち点27。16位の清水エスパルスとは勝ち点6差の20位の横浜FC。現在3試合勝ちなしだが、2試合連続ドローと拮抗した試合はできている。残り試合の対戦相手は3位のヴィッセル神戸、18位の大分トリニータ、12位の北海道コンサドーレ札幌。最下位ということはもちろん最も厳しい状況にあることは間違いない。

19位のベガルタ仙台と同勝ち点ではあるものの、横浜FCの場合は残留圏のチームと得失点の差が非常に大きく、勝ち点で上回らねばならない。つまり、清水エスパルスとは事実上勝ち点7差と考えるべきだ。そうなると最低でも勝ち点7が必要で、出来る限り3連勝したいところ。

ここ5試合で2勝2分1敗と決して調子は悪くないだけに、第36節のヴィッセル神戸戦に勝利することができれば同じく残留を争う大分トリニータ、4試合勝ちなしの北海道コンサドーレ札幌との試合に向けて十分に希望を持つことができる。

ヴィッセル神戸は夏の移籍市場での積極補強がハマり、ACL出場圏内につけている。難しい試合になるのは間違いないが、攻撃陣の好調さならば横浜FCも劣っていない。個で打開できる松尾佑介、サウロ・ミネイロらを軸に常に先行する展開に持ち込み、サポーターの力も結集して勝ち点3を必ずや取らねばならない。

その後も1試合1試合トーナメントのつもりで、準決勝の大分トリニータ戦、決勝戦の北海道コンサドーレ札幌戦という覚悟で戦うことが求められる。神戸戦、大分戦と2連勝できると、勢いはさらに増すに違いない。


まだまだ十分に残留の可能性があるクラブも、数字上はかなり可能性が低いクラブもある。とはいえ2012シーズンに残り2試合で勝ち点5差を跳ね除けたアルビレックス新潟。降格圏で迎えた最終節に0-2となったが、74分から試合をひっくり返し残留した2008年のジェフユナイテッド千葉の例があり、諦めるにはあまりにも早すぎる。

J1の残留争いは毎シーズンのように大混戦になっており、2021シーズンもまた、最後の一瞬まで目が離せない。

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名前椎葉 洋平
趣味:サッカー観戦、読書、音楽鑑賞
好きなチーム:アビスパ福岡、Jリーグ全般、日本のサッカークラブ全般

福岡の地から日本サッカー界を少しでも盛り上げられるよう、真摯に精一杯頑張ります。

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