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「日本人は学ばない」STVVの不人気ぶりに現地メディア落胆…ダービーでも空席目立つ

鈴木優磨(写真左) 写真提供: Gettyimages

 FW鈴木優磨(25)、FW原大智(22)、U24日本代表FW林大地(24)などを擁するシント=トロイデンVV(STVV)は、19日に行われた日本代表FW伊東純也(28)所属のKRCヘンクとのダービーマッチで敗れた。試合結果はさることながら、このホームゲームでの光景に現地のジャーナリストが嘆いているようだ。21日、ベルギーメディア『VOETBAL』が伝えている。

 STVVとKRCヘンクはともにリンブルフ地方にホームスタジアムを構えていることから、この両クラブの対戦はリンブルフ・ダービーとしてファンに親しまれている。そのダービーマッチでSTVVは前半アディショナルタイムに鈴木優磨のゴールで先制。しかし、後半にKRCヘンクに2ゴールを許し、1-2と逆転負けを喫していた。試合後、STVVのサポーターからはチャンスを多く作った後半に追加点を奪えなかったことが敗因であるという声が上がっている。

 ただ、試合内容以上にこの一戦でSTVVのホームスタジアムにはわずか6000人しか訪れておらず、うち1000人以上はKRCヘンクのサポーターだったという。ダービーマッチとは思えないほどスタジアムに空席が多く見られたことについて、現地の中継に出演していたジャーナリストは「ヘンクのホームスタジアムでは、ピッチでのトレーニング開始時点で80%(の席)が埋まっている。なぜSTVVでは同じようなことができないのか。(スタジアムには)毎年同じ歌が流れている」

 「しかも、STVVは何百万ユーロもかけて選手を獲得するようなことはしない。ペーター・マースはこのクラブを去ったが、今回やって来た監督のクオリティも不十分だ。私は日本人(の経営者)が過去のことから学ばないことが理解できない」と村中悠介会長や立石敬之CEO(最高経営責任者)など日本人のクラブ関係者の姿勢に疑問を呈した。

 なお、STVVの歴史について、主にインターネット関連の事業を手掛ける合同会社『DMM.com』が2017年11月にクラブの経営権を取得。『DMM.com』の最高執行責任者(COO)を務める村中悠介氏や立石敬之最高経営責任者(CEO)らの主導により、日本代表MF遠藤航(28)やDF冨安健洋(22)などこれまで数多くの日本人選手を獲得してきた。日本人選手が海外でさらなる飛躍を遂げるための土壌となっているSTVVだが、現地ではクラブ経営者に対する反発の声が上がっている。