
ASハリマアルビオン:近年は最先端のトレンドも導入
千葉が所属するASハリマアルビオン(ハリマ)では、今季、2012年12月の創設当時からチームを指揮していた田渕径二監督(現スポーツディレクター)が現場を離れた。後任は男子サッカーの関西1部アルテリーヴォ和歌山などで指揮を執ってきた元Jリーガー坂元要介氏が務めている。
ハリマは長らくなでしこリーグ2部に所属しており、どうしてもチームを編成する上で完成された選手を獲得することができなかった。ただ、毎年のように個性が際立つ選手が多く、そんな個の能力の高さで局面を打開するサッカーをしてきた。
それでも2018年辺りからチーム練習でも「レーン」という言葉を使い始め、数的優位やポジション的優位、個の優位性を活かすポジショナルプレーの要素など、欧州最先端のトレンドも導入し、年々その完成度を高めて来た。
2019年までハリマでプレーし、現在は海外挑戦中の元U23女子日本代表FW葛馬史奈(国民体育振興公団[KSPO]韓国、下記写真9番)は、「2019年のハリマのサッカーが1番楽しかった」と名残惜しそうに話していた。
「私が2015年に13ゴール決めたシーズンは両サイドのウイングの選手が凄く速かったので、カウンターでその2人のサイド突破からのクロスに、何とか私が頑張ってついて行ってヘディングで合わせる、という攻撃パターンが決まっていました。
当時のハリマは守備でも独特なスタイルでやっていました。マークする相手を決めて、その選手が前に上がっても後ろに下がっても、ひたすら付いて行くという完全なマンツーマン守備のサッカーでした。そのサイドアタッカーの選手たちが抜けたのもあって、現在のスタイルに変わってきたと思います。
2019年は(最終順位が6位だったが、)後期の勝率が1位でした。最終的にもチームの総得点がリーグ2位だったので、その時プレーしていた選手はみんな『1番楽しかった』とよく言っていますね。史奈には帰って来て欲しいです(笑)」
―チームとしての今季の目標は?
「今年から監督が交代しましたし、メンバーも毎試合定まっていたわけでもありません。私自身も結果を出せていなかったので何とも言えません。
それでも新加入の選手の特徴が分かって来て、やっとそれが出てきたというのが、ここ最近の状況です。ここから中断期間も含めたこの夏を通して、しっかりと“勝てるチーム”にしていきたいと考えています」
続く【後編】では、千葉が「1度は戻りたい場所」と言う、代表経験や自身のプレースタイルについてを伺う。
千葉園子プロフィール
1993年6月15日(28歳)出身:大阪府大阪市
身長:162cm、体重:48kg
所属チーム:ASハリマアルビオン(2013-)
ポジション:MF、FW 背番号:10
なでしこジャパン通算:5試合0得点
なでしこリーグ・チャレンジリーグ通算:120試合41得点(今季:10試合4得点)
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