
天皇杯でイニエスタとの再会を楽しみに
鈴鹿は5月9日「三重県サッカー選手権大会」で優勝し、5月22日より開催される「天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会」に出場する。
5月23日に迎える初戦の相手は、同じJFLに所属するFC刈谷。今季JFLでは8戦8敗の最下位と苦しんでいる刈谷だが、鈴鹿とは東海リーグ時代からのライバルで激しい戦いが予想される。
刈谷戦で勝利すれば、6月16日開催予定の2回戦で待ち受けるのは、J1のヴィッセル神戸。ミラ監督にとっては、同郷の1歳先輩である元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタとの“再会”が待っている。
イニエスタはバルセロナの下部組織出身でマシア(寮の名前)育ちとして有名だが、地元出身ではない。12歳でバルセロナの下部組織へ入団するまでは首都マドリードに近いカスティーリャ・ラ・マンチャ州アルバセテにあるアルバセテ・バロンピエというクラブに所属していた。当時のイニエスタを指導していたのが、前述したミラ監督の師匠筋であり、親友でもあるファン・カルロス氏である。大阪に開校した『イニエスタ・メソドロジー』というスクールの校長でもある。
そのアルバセテの女子チームでプレーし、後に女子チームの監督や下部組織の指導者、スタッフを務めていたのがミラ監督だった。来日当初はその縁もあってスペイン大手紙『マルカ』での対談も実現。現在、イニエスタはアルバセテの主要株主となって故郷のクラブを支えている。
「ヴィッセル神戸のことは、今は小さな夢のひとつとして楽しみにしています。私はもちろん選手たちにとっても、ヴィッセルのノエビアスタジアム神戸で試合ができることは忘れることのできない、かけがえのない経験になると思います。
ヴィッセルと戦えること自体が素晴らしいことなのですが、アンドレス・イニエスタというスペインの歴史上でも最高と言っても過言ではない選手と公式戦で戦えることは凄いことです。
アンドレスとは対談して以降は会っていないのですが、ヴィッセルと対戦することが決まった時に初めて彼に『対戦するのを楽しみにしてるよ』と連絡しようと考えています。そのためにも天皇杯初戦の刈谷戦のために良い準備をして挑みます」
以上、ここまで【前編】では鈴鹿のチームや戦いぶりについて伺いました。
【後編】ではミラ監督が「日本に来て最も違いを感じた」という怪我についての考え方やコンディション管理、日本国内外の女子サッカーについて伺います。
後編:鈴鹿の女性監督ミラに聞く!バルサ女子と伊賀、驚きのコンディション管理【後編】
ミラ監督プロフィール
ミラグロス・マルティネス・ドミンゲス:1985年4月23日生(36歳)スペインのカスティーリャ=ラ・マンチャ州出身。現役時代は主にスペイン女子2部でDFとしてプレー。2007年から指導者に転身しアルバセテ・バロンピエの女子チーム監督や下部組織のコーチ、スタッフを歴任。2018年夏からアトレティコ・トメロッソ(スペイン)女子チームを率い、2019年1月に鈴鹿の監督に就任。UEFAプロライセンス(日本のS級相当)を保有。
コメントランキング