Jリーグ

J2得点王は出世コース?香川&フッキ輩出時代からの傾向変化とは【J2タイム】

写真提供: Gettyimages

J2観戦の魅力の1つに「有力な若手選手」と「無名の外国籍選手」を発掘するという楽しみがある。近年はJ2からJ1へ引き抜かれた選手が即ブレイクする例が多くなって来ており、その愉しみ方はかなり一般的になった。

「別れあれば新たな出会いあり」と、引き抜かれたJ2クラブ側やそのサポーターたちは次なる有力選手の発掘に期待できるサイクルも出て来た。未知数や可能性に賭けることができるのはJ2ならではだ。

J2が生んだワールドクラスと言えば、元日本代表MF香川真司(現PAOKテッサロニキ)と元ブラジル代表FWフッキ(現フルミネンセ)も「J2得点王」の肩書を携えて、半年後に欧州移籍を果たしている。

J2得点王を獲得してからJ1得点王を獲得した選手も3名輩出。欧州移籍を果たした元日本代表FWハーフナー・マイクなども含めると、J2得点王はJ1得点王よりも“出世”すると言われてきた。

しかし、現在はその実態も変化して来ているようだ。


ピーター・ウタカ 写真提供:GettyImages

来日6年目、36歳のピーター・ウタカがJ2得点王

変化の顕著な例は、昨季のJ2得点王に京都サンガの元ナイジェリア代表FWピーター・ウタカが輝いたことだ。2016年のJ1得点王である彼はJ1とJ2の両方で得点王を獲得した4人目の選手となった。

過去3人のJ1&J2得点王であるエメルソン、ジュニーニョ、佐藤寿人はJ2得点王を獲得してからJ1得点王に輝いている。しかし、ピーター・ウタカはJ1得点王に輝いてから、J2得点王を獲得した初めてのケースとなった。

また、36歳での得点王はJ1を含めても最年長で、35歳以上という大ベテランに差し掛かる年齢で区切ってもJリーグ史上初である。

しかもウタカは2015年に来日し、これまでJ1・清水エスパルス、J1・サンフレッチェ広島、J1・FC東京、当時J2・徳島ヴォルティス、J2・ヴァンフォーレ甲府に在籍。2020年から加入した京都は彼にとって6つ目のJクラブである。無名どころか、「Jリーグ名物外国籍選手」である。

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