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「サッカーを仕事にする」アルビレックス新潟バルセロナ事業マネージャー松田氏インタビュー

写真提供:アルビレックス新潟バルセロナ

時代の流れを受け入れつつも、さらなる高みへ

会社としての目標や松田氏個人の目標を教えてください

松田氏:数字としては、1期あたり15人の留学生を獲得すること目標としており、個人的にも私が留学していた1期生の人数が12人と過去最多になるためその人数を超えることを目指しています。また現状、基本的には私1人が留学プログラムの募集窓口など事業全般を担当していますが、将来的にはもっと多くの修了生に関わってもらいながら、さらに規模感のあるクオリティの高いプログラムを作り上げていきたいです

今後の方針や、コロナ渦で生き残っていくために必要だと思う戦略はありますか?

松田氏:まずは今やっている留学プログラムでスペインに送り出す長期留学をメインに続けていきたいとは思っています。ただ、今後は短期での留学やビジネス研修、サッカーのプレーをメインとした留学についてもやっていくことになるかと思います。やはりスペインはサッカーのレベルが高く、プレーすることは魅力的ですからね。

また、コロナの影響で現地のプログラムもオンライン化してきている面もあります。今まではスペイン国内の講師からしか学べませんでしたが、他の欧州の国の人からでも学べるようになったのはメリットだと思います。しかしオンラインばかりになると留学の最大の魅力である「現地のリアルを感じること」が弱まってしまうことは絶対に避けなければいけません。オンラインの導入はあくまでも幅を広げるための一つのオプションと捉えています

今後はどの年代に強くアプローチしていきたいですか?

松田氏:現状は学生が多いです。今後ももちろん、学生に留学してほしいと思っていますが、社会人の方も増やしていきたいと思います。というのも、私が1期生として留学した時には学生と社会人がほぼ半々でした。私は20歳だったので、1番年下でした。その時に同じ学生の先輩や社会人の方からとても良い影響を受けました。

また、学生だとどうしても「与えてもらう側」になってしまいますが、社会人は「与える側」ですよね。学生だけだとできないことも社会人が入ることで自分たちでイベントやプログラムに取り組んでみようとなったりします。そのようにシーズンごとに留学生の属性や年齢層には、ばらつきがあるので期によって全然違う空気感だったりもします。

しかし留学プログラムを提供する立場からすると、学生が多いから良いとか、社会人が多いから良いとかではなく、どんな経歴であれ年齢であれ、すべての参加者にとって、実りのあるクオリティの高いプログラムを提供し続けること、その魅力を多くの方に届けること、そして担当者である私に共感してもらうことが最も大事だと考えています

最後に、サッカー界に入って活躍するために必要なことは何だと思いますか?

松田氏:私もまだまだ偉そうに言える立場ではありませんが、自分にしかない武器を作ることですかね。例えば、すごく営業が得意で営業成績で1位を取れる人だったり、語学力も武器の1つになるでしょう。何でも良いので自分にしかないものを持っていることが必要ですね。あとは、0から1を作り出せることです。先ほどもお話しさせてもらったように、働くということは与えてもらうのではなく与える側になります。極端な話、会社から数字の目標だけを設けられ、それに向けてのやり方は、こと細かく教えてもらえないこともあるのではないかと。指示待ち人間ではなく、自分の考えを持って実行できることは大切かと思います。

それで結果が出なければ、原因を追究して別のやり方を考えれば良いだけですからね。それの繰り返しだと思います。そして何よりも、繰り返しにはなってしまいますが、自分が一番ワクワクすることに向かって一歩踏み出すことです。そうすることで「不安が自信に変わる経験」を肌で感じていただきたいですし、新たな自分との出会いをしていただきたいと思っています。


取材後記:人材不足の課題が浮き彫りになるサッカー界の中で、自分の武器を作ることがいかに重要かを感じた。そして、プロサッカークラブが留学事業を行うことに対する価値についても感じることができた。今後、日本や世界のサッカー界、そしてスポーツ界全体がより良くなっていくためにもこの留学プログラムから1人でも多くの人材が輩出されることに期待したい。

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名前:TK
趣味:サッカー観戦
好きなチーム:浦和レッズ、東京ヴェルディ、川崎フロンターレ、大宮アルディージャ、南葛SC
サッカースクールを運営しながら、複数のサッカー、スポーツ媒体でライターを経験。国内サッカー全般(4種から1種まで)幅広く観戦しています。

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