サッカークラブにとって選手を正しく評価するのは簡単なことではない。現在のパフォーマンスだけではなく、ポテンシャル、将来性、チームとのフィット感など、たくさんの要因を考えて判断する必要があるのだ。
当然なことに、相応しくないと判断された選手が別のチームに移籍し、大活躍することもあり得る話だ。
今回はセリエAのクラブに見捨てられたにもかかわらず、2019/20チャンピオンズリーグ(CL)、そしてヨーロッパリーグ(EL)で頂きに立ったバイエルン・ミュンヘンとセビージャの選手をまとめよう。
コマン
2014年の夏にパリ・サンジェルマン(PSG)からユベントスへと移籍したバイエルン所属MFキングスレイ・コマン。
コマンの2014/15シーズンはパフォーマンスの低い時期ではなかった。スロースタートではあったものの、途中から多くの試合で先発出場。自分のポテンシャルを見せることができた。それによって、ヨーロッパの多くのクラブに評価されるようになった上、初めてフランス代表トップチームに選抜することとなった。
それでも次の年ユベントスはバイエルンのオファーを受け、同選手のドイツへのレンタル移籍に合意をした。コマンが2019/20CL優勝ゴールを決めた時、ビアンコネーリ(ユベントスの愛称)は5年前の判断に後悔しただろうか。
コウチーニョ
バルセロナからバイエルンにレンタル移籍しているブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョは16歳から天才と呼ばれ、プロデビュー前から複数のヨーロッパのクラブから注目されていた。
彼が選んだ初欧州クラブはインテルだった。ネラッズーリ(インテルの愛称)は2008年7月に移籍金380万ユーロで彼の獲得を発表したが、セリエAで18歳に満たない選手が試合に出場できないため、2年間レンタル先のヴァスコ・ダ・ガマでプレーすることとなった。
コウチーニョがイタリアのクラブでプレーしたのは2010年の夏から2011年12月にかけてだが、高金額の移籍金の割に良いパフォーマンスを見せれなかったため、2012年1月にエスパニョールにレンタル。その後はリバプールに完全移籍することとなった。
そして、プレミアリーグのクラブで監督だったユルゲン・クロップのおかげでもあるが、現在コウチーニョは世界中に認められているスターに成長した。
バネガ
コウチーニョと同様にインテルに所属し、2019/20シーズンに欧州のトップにたどり着いた選手はもう1人いる。それはセビージャと共にEL優勝を果たした元アルゼンチン代表MFのエベル・バネガだ。
ネラッズーリ時代(2016-2017)はいいパフォーマンスを見せたものの、イタリアのクラブとの相性があまり良くなかったため、セビージャに復帰することとなった。インテルはEL決勝で昔のチームメートに破られた時にどんな気持ちだっただろうか?
なお、バネガは2020年1月28日にサウジアラビアのアル・シャバブ・リヤドへの移籍を合意し、CL決勝戦終了後に加入することとなった。
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