
リッピ
イタリア代表や中国代表監督も務めたマルチェロ・リッピ。1994年から1999年にかけてはユベントスを指導し、多くのタイトルを獲得した。しかし、最後のシーズンにあまり良い結果を出せなかったことがきっかけで、リッピは自ら契約を解約し、同じ年にライバルチームのインテルの監督となった。
不思議なことに、ユベントスのサポーターはリッピに対して裏切りの気持ちを感じていないと言われている。尊敬の気持ちが強いままだ。
一方で、インテルのサポーターは彼を受け入れることができなかった。ユベントスでの過去があることはもちろん、ロベルト・バッジョ、クリスチャン・ビエリ、ブラジル代表のスーパースター、ロナウドのような選手がいるにも関わらずタイトルの1つにも届かなかったことが原因だろう。
しかし、2006年のFIFAワールドカップでイタリア代表を優勝に導いたことで、リッピは現在どのサポーターにも愛される国内スターとなった。

サッリ
イタリアにはこんな言い伝えがある。「ナポリの市民はとても優しいけど、怒らせない方がいい…」
現在のユベントスの監督マウリツィオ・サッリは、2015年から2018年にかけてナポリに革命を起こした。セリエA優勝を争い、チャンピオンズリーグ(CL)で戦えるレベルまでにチームを鍛えた。
ジャージー姿とケアされてないヒゲのサッリは、スペイン王者バルセロナを思い起こさせるティキタカ(パスが小気味よくぽんぽんと繋がるサッカーの攻撃戦術の1つ)と共に街全体を盛り上げ、ナポリ市民に深く愛されていた。
また、ナポリ時代のサッリはユベントスに怒りをぶつけることも多かった。「白黒のユニフォーム(ユベントス)を着ていないとPKがもらえないのか」「今年の日程は明らかにユベントスに有利だがどうなっているんだ?」などと、サッカー界が腐っていることを強く訴えていたのだ。
そんなサッリがスーツ姿でユベントスと契約した時、ナポリの市民は悪夢を見たに違いない。この行動は永遠に許されないだろう。
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