Jリーグ ALL

2020明治安田J1リーグのランキング大胆予測(13位〜9位)

興梠慎三 写真提供: Gettyimages

11位:浦和レッズ

2019結果:14位/2020注目選手:橋岡大樹

「クリシュナ(筆者名)お前はイカレてる。浦和が11位?2019年辛うじて降格を逃れて大失敗したチームが?頭大丈夫?」という声が聞こえてきそうだ。

答えはイエスとノーの両方だ。浦和レッズの2020年の順位をもっと低く見積もることは容易い。しかしよく考えてほしい。浦和の名声を考えると、11位でさえ大失望である。エリートチームから完全に落ちることを意味するだろう。

浦和をもっと低い順位に設定しなかった理由は2つ。1つは、アルビレックス新潟からレオナルド、メルボルン・ビクトリーからトーマス・デング、という重要な2選手の獲得をしたこと。2つ目は、大槻毅監督率いる同チームには今シーズン参加する国際大会がなく、リーグ戦のみに集中できること。2019年は確かに酷いリーグ戦パフォーマンスではあったが、ACLでは予想を覆し決勝まで進んだことを忘れてはいけない。浦和には十分な闘志がある。順位分けの焦点や優先をどこに置くかの問題だ。

それどころか、もっと高い順位に設定することも考えられた。しかし、彼らは興梠慎三の後継者として期待されていたオナイウ阿道を自ら横浜F・マリノスに完全移籍させている。なぜ浦和がそのような才能ある選手を手放す決断をしたのかは、未だに理解できない。オナイウは、レンタル先のレノファ山口でも大分でも素晴らしい活躍をした。特に大分では、J1でも通用するのかという疑念を払拭した。彼から興梠の後継者となるチャンスを奪うとは、2020年に向けてクオリティの高い攻撃要員を期待する浦和サポーターにとっても辛辣なことに違いない。

槙野智章 写真提供: Gettyimages

クオリティの高い攻撃要員と言えば、浦和が獲得した前述のレオナルドだ。彼は2018年にガイナーレ鳥取で24得点を挙げ、2019年はJ2のアルビレックス新潟に移籍すると、28得点でJ2得点王となった。まだ22歳で成長の余白も多い。2019年は興梠1人にかかっていた攻撃の重荷だが、その負担を軽減するためにも、レギュラーのストライカーとして使われる可能性が高い。

一方、同じく前述のトーマス・デングは、守備問題を解消する重要な役割を担うだろう。2019年には槙野智章や橋岡大樹といった選手の活躍にもかかわらず、浦和は50失点を喫した。デングはまだ22歳の若さにして、2015年からメルボルン・ビクトリーでディフェンダーの地位を確立し、2015年FFAカップ優勝、2017/18シーズンのAリーグ・グランドファイナル優勝に貢献、その活躍でU-23オーストラリア代表のキャプテンともなっている。間違いなく2020シーズン、浦和の守備の穴を埋めてくれるだろう。

ACLの出場資格を逃し、2020年は気にかける大会が1つ減った浦和。つまり国内戦のみに集中できる。昨年の国内での不出来はACLへの傾倒のためだという議論もあるため、この環境での改善を期待したい。浦和のようなチームにとって、昨年のような結果は恥となる。14位は2011年(15位)以来の最低順位だ。

何はともあれ才能の揃ったチームであり、2019年の悪夢から覚めることを願っている。昨年より大きな改善が見込まれるが、多くの意見を思って泣く泣く中位に設定した。

ページ 3 / 4

名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

筆者記事一覧