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2020明治安田J1リーグのランキング大胆予測(18位〜14位)

ビクトル・イバルボ 写真提供: Gettyimages

17位:サガン鳥栖(降格)

2019結果:15位/2020注目選手:金崎夢生

いよいよ2020シーズン、サガン鳥栖はJ1に残留できないかもしれない。2018シーズンからギリギリJ2降格を避けてきたが、その「運」が切れるのは時間の問題ではないかと考える。2012年、鳥栖はJ1に昇格すると、アビスパ福岡、大分トリニータ、V・ファーレン長崎を押さえて九州を代表するクラブとなった。しかし、2019シーズンに大分がJ1に復活してから状況が変わり、結果に表れている(2019シーズン大分は9位、鳥栖は15位)。

鳥栖の最大の問題は何か?深刻なマネジメントミスだと思われる。中でも2014年のユン・ジョンファン監督解任は、最大の誤ちの1つであった。彼の元でチームはJ1上位だったが、たった5位に落ち込んだことが原因で当時コーチであった吉田恵監督に交代となった。そして間も無く財政面でも苦しむことになる。

2018年頃にはヴィッセル神戸と同じタイミングで、鳥栖もスーパースターを揃える計画に挑んだ。楽天の資金力で成功してきた神戸に比べ、鳥栖にその持続性はなかった。計画に基づいては、セリエAやプレミアリーグ経験を持つビクトル・イバルボを筆頭に、鹿島アントラーズのストライカー金崎夢生、そしてアトレティコ・マドリード、リバプール、チェルシーなどで活躍した元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス、また現在ベガルタ仙台で注目のイサーク・クエンカを獲得。

中でも最も注目を浴びていたトーレスが、怪我も多くコンディションを整えられなかった。推定1億円年俸のマッシモ・フィッカデンティ前監督との“いざこざな別れ”も加わり、クラブ財政に大きな染みを残すこととなる。目指していたJ1上位入りも叶わず、計画は始まる前に終わった。トーレスは2019年8月23日に元スペイン代表仲間であったアンドレス・イニエスタのいる神戸相手にラストゲームを迎え、引退。イバルボは長崎に完全移籍し、クエンカは仙台に移動した。

また、株式会社Cygamesに続き、今年は2008年からサガン鳥栖のユニフォームスポンサー契約を継続していたDHCが撤退。クラブの未来が不安だ。

ガブリエル・シャビエル 写真提供: Gettyimages

16位:名古屋グランパス(プレーオフ参加)

2019結果:13位/2020注目選手:ジョー

名古屋グランパスのことを、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレ、浦和レッズ、横浜F・マリノスなどと同等の素質を持ったJ1ビッグクラブの1つと捉えている人も多い。しかし現実を見よう。2018年にJ1復帰してから、名古屋は良い結果を残してない。2018年にはなんとか降格を避けて15位。2019年は13位と改善したものの、シーズン後半は苦しんだ。上位に現れたのは、素晴らしいパフォーマンスを見せたシーズン開始時のみだった。

2019シーズンの途中(9月23日)に風間八宏監督が解任となり、元カリアリ、FC東京、鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督が就任。2020年このイタリア人監督の最初のフルシーズンを迎える。前シーズンは彼のおかげで残留争いを避けることができたが、活躍した複数の選手がクラブを離れた。

和泉竜司は鹿島に移籍。川崎からレンタルで来ていた赤崎秀平はベガルタ仙台に渡った。さらに長谷川アーリアジャスールは、右脛骨骨幹部骨折で7月までプレーができない状態となっている。この厳しい状況の中、フィッカデンティ監督はどう戦うつもりだろう。

前田直輝と元マンチェスター・シティのジョーが頼りになると予測する。特にブラジル人ストライカーのジョーは、横浜F・マリノスでのレンタル期間を終えたマテウスと共に、名古屋の攻撃の要になると思われる。

また、面白い新戦力は川崎から来た阿部浩之。中盤補強となることを期待されている。そしてフィッカデンティ監督に前線のオプションをさらに与えるのが、湘南ベルマーレから来た山崎凌吾だ。

しかし、2018年のJ1復帰から名古屋の深刻な課題となっている「一貫性」については、2020年にも引き継がれるだろうと予測する。一貫性の欠如こそが、ゆくゆく残留争いの原因となるのではないか。そしてチームのクオリティを考えると、プレーオフにて降格を逃れると思われる(ところで、プレーオフの引き分けの場合の規定で上位チームが勝者なのは納得できない)。

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名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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