セリエA ミラン

インテル対ミラン。ミラノダービーから学んだ4つのこと

クリスティアン・エリクセン 写真提供: @Inter

その3:エリクセンの超絶FKはインテルサポーターに夢を与えた

後半27分、トッテナム・ホットスパーからインテルに移籍したばかりのクリスティアン・エリクセンが試合に登場した。そして出場から9分後、30メートル前後からフリーキックを蹴ることを任された。

その時点で、危険を感じたミラニスタ(ミランサポーター)は、ほぼいなかっただろう…。

しかし、エリクセンは、そこまでに遠く際どいポジションからでも強烈なシュートを放ち、ミランのゴールを突破しそうになったのだ(シュートはバーに強く当たった)。

無回転のシュートにあんなスピードを出せるなんて…。普通できるものではない。それを見てインテルの多くのサポーターは「この男は我々をスクデット(セリエA優勝)に導いてくれる」と思ったことだろう…。

イタリアのメディアは、そんなエリクセンの姿を、かつてトリプレテ(同シーズンにタイトル3冠)を達成したインテルのファンタジスタ(意想外のプレーを見せる天才的なサッカー選手)ヴェスレイ・スナイデルに重ね始めた。

エリクセンは初経験となるイタリアで、良いスタートを切ったと言えよう。これからアントニオ・コンテ監督のシステムで、どう使われるだろうか。

マルセロ・ブロゾビッチ 写真提供:GettyImages

その4:ダービーのスペシャリストはイブラだけではない

かつてインテルにも所属していたイブラ(2006〜2009年)が、ダービー戦に強いということは有名な話だ。過去出場してきたミラノダービーでは8試合中5回勝利し、5得点(ミランの選手として3得点、インテルで2得点)を決めてきている。

しかし、ダービーのスペシャリストはイブラだけではない。現在のインテルにもこの大一番に強い選手が複数いる。

2019年9月22日に行われたミラン対インテルは、0-2でネラッズーリ(インテルの愛称)の勝利となった。勝利に導いた得点を決めたのは、マルセロ・ブロゾビッチとロメル・ルカク。今回もゴールを挙げた2選手だ。

そして、今回残りのインテルの2得点を決めたステファン・デ・フライとマティアス・ベシーノは、2019年3月18日に行われたミラノダービーでも得点を挙げている。

インテルはこの大事な試合に勝利したことで、優勝争いに向けて勢いを付けることができた。そして、2016年1月31日から1度もダービー戦で勝利していないミランだが、イブラヒモビッチの元で復活する見込みは十分あると思われる。

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名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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