マウリシオ・ポチェッティーノがトッテナム・ホットスパーの監督になったのはプレミア・リーグ2014/2015シーズンが始まる前です。彼が指導者になったことで、トッテナムはプレーのクオリティーの面でも、戦術の面でも、もっとレベルの高いステージで戦えるようになった。
しかし、この数年のトッテナムは予算をかけられないデリケートな時期にあった。その中、ポチェッティーノはクラブに所属している選手たちのベストを引き出すために、激しいターンオーバー(※サッカーで、リーグ戦やカップ戦などの試合に応じて先発メンバーを大きく入れ替えること)をやり始めて、結果を出すことができた。
なぜポチェッティーノにはターンオーバーを繰り返す必要があった?
トッテナムにとってデリケートな時期というのはトッテナム・ホットスパー・スタジアムを作り上げるための時期です。このプロジェクトにかかった金額は計画した以上の強大な金額だったため、クラブは移籍マーケット中に選手の獲得にあまり動くことができなかった。
2018年の1月から2019年の6月の間にトッテナムはどの選手も獲得していません。唯一あった動きはムサ・デンベレの中国の広州富力への移籍だった。
いつも同じメンバーで戦うしかなかったポチェッティーノは選手のモチベーションのためにも、相手に合わせた戦い方をするためにも、ターンオーバーを続けてきた。
ロンドンのフリーペーパー『イブニング・スタンダード』は面白いデーターを配信。ポチェッティーノは94試合連続して一度も同じメンバーをスタメンに使っていない。毎試合必ず誰かしらの入れ替えが行われている。
ターンオーバーの理由がもう一つあるだとしたら、それは世代交代にあると思われる。エリック・ダイアー、ダビンソン・サンチェス、そして2019年8月にレンタルでやってきたジオヴァニ・ロ・チェルソは少しずつ、クリスティアン・エリクセン、トビー・アルデルヴェイレルトとヤン・フェルトンゲンのスタメンの座をゲットすることになるだろう。
トッテナムがターンオーバーしなかった最後の試合は2018年2月の一戦
ポチェッティーノが最後に同じフォーメーションをピッチに送り出したのは2018年1月31日のマンチェスターユナイテッド戦、そして2月4日に行われたリヴァープール戦です。選ばれたのは下記の選手です。
ウーゴ・ロリス、キーラン・トリッピアー、ダビンソン・サンチェス、ヤン・フェルトンゲン、ベン・デイヴィス、エリック・ダイアー、ムサ・デンベレ、クリスティアン・エリクセン、デレ・アリ、ソン・フンミン、ハリー・ケイン。
実はポチェッティーノはその次のプレミアの試合、アーセナルとのノース・ロンドン・ダービーにも同じフォメーションを出場させた。しかし、ミッドウィークにFAカップの試合があったため、「3回連続同じスタメン」とは言えない。
今シーズン、ポチェッティーノのトッテナムは…
今までのポチェッティーノのパーフォーマンスに比べると、今シーズンのトッテナムの活躍は異常に悪い。監督自身も最後に行われたシェフィールド・ユナイテッド戦の後にこの良くない状況をメディアに伝え、5年前にこのトッテナムの指導者の仕事を受けた時のシチュエーションに似ていると発言した。前シーズンはチャンピオンズリーグの決勝まで進むことができたにもかかわらず、今シーズンの11節中に勝点13(3勝、4引き分け、4敗)しか獲得していない。
とはいえ、最近トッテナムのプレーにはポジティブな部分も見受けられ、少しずつバランスを取り戻していると思われる。上位に立つぐらいの逆転ができるかどうかはわかりませんが、これから少し良くなるでしょう。
しかし、トッテナムがこれから上達さえできなければ、ポチェッティーノはこのクラブを離れることになる可能性が高い。この数ヶ月彼にアプローチした複数のクラブがイギリス国内にもヨーロッパ中にもたくさんある。トッテナムはどうなったって、彼が困ることはないだろう…。
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