プレミアリーグ トッテナム

トッテナム、今季の不調を象徴するデータ。いつもの安定感がない…

写真提供: Gettyimages

著者:秕タクヲ

「就任した頃に戻ったようだ」

マウリシオ・ポチェッティーノが現状のトッテナムの不調をこのように嘆いた。

2014年夏にトッテナムの指揮官に就任し、越えられない「ビッグ4の壁」を攻略・強豪の仲間入りを果たすことに成功した。就任当初のミッションはトップ4入りではあったものの、ポチェッティーノがチームに浸透させた「ハードワークと知性」は与えられたミッション以上の成果をもたらし、4シーズン連続でトップ4入り、2018/19シーズンにはチャンピオンズリーグ決勝進出を果たした。

しかし、今シーズンは何かがおかしい。ここまでリーグ戦12節まで消化し「3勝5分4敗、勝ち点14」とボトムハーフに低迷しており、明らかに今までのトッテナムではない別の姿をピッチ上で見せている。昨シーズンでは12試合で勝ち点27積み上げていることからも不調であると断定されても仕方ない。

今回は、勢いを失うトッテナムの不調を表しているデータをご紹介したい。


先制点成功率とその結果

画像: 先制点成功率とその結果
  • 先制点成功率:64%
  • 先制時結果:勝36%、分36%、負27%

上記のデータを見るにトッテナムは「高確率で先制に成功するものの、そこから勝ち試合に持ち込めない」ことがお分かりいただけるだろうか。

公式戦の60%以上は先制点を収め試合を有利に展開するのだが、これまでの試合をコントロールする力が衰えており相手に数多くの決定機を作られている。第11節エバートン戦、第12節シェフィールドユナイテッド戦では終盤に失点を喫し痛恨のドロー。ノースロンドンダービーでは2点を先制しても追いつかれるなど、トッテナムの代名詞でもある「安定感」がない。


1試合平均パス数と成功率

画像: 1試合平均パス数と成功率
  • トビー・アルデルヴェイレルト:昨季61.4(89%)、今季60.1(84%)
  • ヤン・フェルトンゲン:昨季60.9(89%)、今季59.2(91%)
  • ダビンソン・サンチェス:昨季56.3(90%)、今季52.4(89%)
  • ハリー・ウィンクス:昨季49.0(92%)、今季55.4(91%)
  • エリック・ダイアー:昨季46.0(85%)、今季33.0(73%)

思うにビルドアップに関わるメンバーのパスに要因があると私は考える。1試合あたりの平均パス数はハリー・ウィンクス以外、昨シーズンと比べて減少。成功率もヤン・フェルトンゲンを除いて落としている。

今シーズン後方からのビルドアップの質が低い。思うようにボールを前に渡せずに相手に危険な形でインターセプトされ、決定機まで作られるシーンを多く見受けられる。攻撃陣のボールの受け方に問題があるのか、もしくは単純にパスの質が落ちたのか。どちらにせよ改善が必要だ。

ビルドアップの質が高いと攻撃において有利な一手を仕掛けることができる他、相手の体力を消耗させるなどのメリットがあり、強豪と評されるクラブは何らかの論理的なビルドアップ手法を持っている。かつてのトッテナムが得意としていることが今シーズンは叶っていない。這い上がるべく修正ポイントはここにあるだろう。