バルセロナはここ10年間において、スペイン国内においては最も成功したクラブと言っていいだろう。10年間で7つのリーグタイトルを獲得し、2015年から2018年にかけては、4季連続でコパ・デル・レイを制している。
そんなバルセロナだが、チャンピオンズリーグ(CL)では結果を残せないシーズンが続いている。リーグタイトルと欧州カップ戦のタイトル。両立するのがベストだが、それは容易ではない。
今回は「Sportkeeda」が特集した、そんなバルセロナが今シーズンを無冠で終える3つの理由をご紹介する。
タイトルの優先順位
前述したように国内では素晴らしい成績を残しているバルセロナだが、CLではイマイチ振るわないのが現状だ。ライバルのレアル・マドリードがCLで成功を収めたこともあり、高い基準で判断するサポーターからは批判的な意見も少なくない。
エルネスト・バルベルデ監督はCLに近いクラブだということを示すために、国内のタイトルにこだわった。バルセロナはビッグイヤーを掲げることに熱心だということを隠してはいない。メッシは、記者会見でそのことを口にする。
表向きは、すべてのタイトルを優先すると見せているが、CLのタイトルを間違いなく優先するだろう。現メンバーはリーグタイトル経験者は多いがCLタイトル経験者は少ない。この点もそれに拍車をかけるだろう。
対するマドリードは、国内のタイトルに恵まれていない。ジネディーヌ・ジダン監督は、今シーズンの目標をリーグタイトルだと明言した。これらのことから、バルセロナがマドリードにリーグタイトルで後れを取る可能性がある。
メッシへの過度な依存
リオネル・メッシは、バルセロナの歴史の中で最も偉大な選手の1人だ。15年間でバルセロナがスーパークラブに変身を遂げたのは、メッシの影響がとてつもなく大きい。
メッシの圧倒的な能力を考えると、チームとして彼を中心に立ち回るは理に適っている。彼が試合を作り、流れを変え、決定的な仕事を果たす。これにより数多くの試合で勝利を手にしてきた。
しかし、メッシが出場する試合とそうでない試合で、クオリティが大きく異なってしまうという問題が、かねてから指摘され続けている。今シーズンの序盤もふくらはぎの負傷によりメッシが出場できなかった数試合は、ひどいと言わざるを得ない試合を披露してしまった。
メッシはケガを負う頻度が少なく、ケガからの復帰も非常に早い選手だ。しかし、彼も私たちと同じように人間であり、年齢を重ねるのと同時に回復が遅くなっていくだろう。人により意見は異なると思うが、最盛期を過ぎている可能性が高い。
今シーズンにメッシが離脱するようなことがあれば、バルセロナは国内外を問わずにタイトルを逃してしまう可能性が高いだろう。
高まる競争力
今シーズンはラ・リーガ、CL、ともに競争力が高まっている。国内に目を向けると7位のセビージャまでが3ポイント差にひしめき合っている。バルセロナは開幕節でアスレティック・ビルバオに敗れると、オサスナ、グラナダの昇格組からは勝ち点を1つしか手に入れることはできなかった。
数年前であれば、オサスナとグラナダはバルセロナに破壊されていただろう。しかし、バルセロナとマドリードが覇権を握り、アトレティコ・マドリードがそれに追従するという体制は終わりを迎えようとしている。
CLの競争力も間違いなく高まっている。国外のビッグクラブ。ユベントスやリバプール、マンチェスター・シティといったクラブはもちろん強力だ。しかし、アヤックス・アムステルダムのように、若手を引き抜かれる続けることから脱却しようとしているクラブも厄介な存在となるだろう。トッテナム・ホットスパーのように適切な順番でクラブを強化することに気づいたクラブも少なくない。
これまで以上にCLは手が届きにくいタイトルになっている。
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