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中田英寿、イタリアでの大冒険(第3弾):ローマ時代【後編】

写真提供: Gettyimages

ローマは攻め続けていたが、中々0-2の結果が変わらなかった。試合は終わりに近づいていた。ユヴェントスのDFが固まり始めたその時だった。中田はセンターラインあたりにユベントスからボールを奪い、一人で進んでからエリア外からのロングシュート!1対2、ローマはユベントスに一歩近づいた。

ローマは全力でユベントスのゴールを攻め続けた。しかし、ユヴェントスは数をかけて自分のゴールを必死に守っていた。そういった場面には誰かの素晴らしい個人プレーがないと、試合の結果が中々動かない。

試合はロスタイムに入って、ローマはまだビハインド。ユヴェントスの選手はほぼ全員ボックス内で守備をしていた。何をすればいいのがわからなかったローマのSBカンデラは中田にバックパス。もう時間ないと感じていた中田はボールも止めずに少しななめのポジションから強烈なシュートを打った。ユベントスのキーパー、ファン・デル・サールはなんとかシュートをクリアできたが、モンテッラがセカンドボールを拾ってゴールを決めた。

中田のおかげで、試合終了ぎりぎりのところでローマはユベントスに引き分けることができた。試合後ローマの選手は中田を抱きしめ、大喜び。中田も笑いながら空を見ていた。こちらは当時の試合のハイライトです。

ペルージャのデビュー戦と同じように、中田はもう一度ユベントスを相手に輝いた。残りの試合にも出場し、いつものようにクオリティーの高いプレーを見せた。そして、ローマは1位の座を守り抜いて、セリエA2000/2001年シーズンを優勝した。(つづく)

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名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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