強豪の当落選上にしがみついているアーセナル。最近では大胆な戦力補強に投資するも不甲斐ないシーズンに終わるのか恒例となっている。もしかすると今シーズンの結果と内容次第では、強豪から中堅クラブへと世間から見なされてしまうかもしれない。
そんな危機的状況の最中にいるアーセナルの「今振り返ると放出すべきではなかった選手」を3人ご紹介したい。
ガブリエウ・パウリスタ
長年解決に至っていないアーセナルの「デフェンス問題」は、ガブリエウの放出がなければある程度収束を迎えていたのではないだろうかと考える。昨今特に問題視されている、セットプレーや空中戦、不必要なチェックなどはガブリエウの成長曲線とともに解消できたはずだ。
しかし、アーセナルはデフェンスラインの将来をガブリエウではなくシュコドラン・ムスタフィに託したのだ。感情に波のあるブラジル人よりも堅実なドイツ人を登用したことは大きな誤りであると今更認識した格好である。
肝心のムスタフィのパフォーマンスについては昨シーズンのエミレーツで行われたクリスタルパレス戦を見れば誰にでも理解できることだろう。ジエゴ・コスタの挑発に見事に乗ってしまい退場処分を食らうような気性の荒さも持っていたが、今となっては落ち着きも備わり放出先となったバレンシアではデフェンスラインの要となっている。
現在ガブリエウは28歳。仮に今もアーセナルの一員であったなら、今頃チームの主軸として相手の攻撃を数多く摘み取っていたことだろう。
アーロン・ラムジー
昨シーズンまで所属していたラムジーだが、もう既に放出を後悔する声が聞こえてきている。
それもそのはず、彼がピッチに送り込まれると高確率で活躍するアーセナルでは貴重な中盤だからだ。スタートからでも途中出場からでもトップ下でもボランチでも与えられた状況を打開できるいぶし銀の魅力を持っている。
しかし、クラブはチームから愛される彼の契約延長に失敗し、フリーでユベントスへ移籍する結果になってしまった。チームの核心となる選手を慰留できなかったこと、さらに述べるなら慰留できないとなったら違約金が発生する間に移籍させ次の戦略のための資金を充当することができなかったのがアーセナル。
どうやら「結局何がしたいのか分からない」のはピッチ内に留まることではないようだ。
オリビエ・ジルー
私はアーセナルのストライカーとしてチームにハマったのはティエリ・アンリやデニス・ベルカンプの次にジルーなのではないかと考える。特徴的な長身を生かした高い打点のヘディング、ペナルティエリア内で起点となるポストプレー、中央に留まらない運動量。どれを取っても平均値を遥かに超越したストライカーだ。
そんな彼の旬をアーセナルは完全に見誤ってしまった。31歳を迎えたジルーを突如放出させると発表、しかもその放出先はライバルであるチェルシーだった。玉突き移籍の関係でピエール=エメリク・オーバメヤンを獲得できたとはいえ、今思えばこの移籍には疑問符がつく。
2018年のロシアワールドカップにおいて、フランス代表として選出されたのがアレクサンドル・ラカゼットではなくジルーだったことや、アーセナルが昨シーズンのヨーロッパリーグ決勝でチェルシーに滅多斬りにされたことを鑑みてもアーセナルがジルーの旬を見誤ったことははっきりと証明されている。
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