昨シーズンにチャンピオンズリーグ(CL)でファイナルまで駒を進めたものの、レアル・マドリードの前に涙を呑んだリバプールは今季、プレミアリーグではわずか1敗にも関わらず2位に終わった。しかしCLでは優勝候補のバルセロナ相手に準決勝1stレグで0-3と黒星を喫したものの、2ndレグで大逆転勝利を収め再び決勝に勝ち進んでいる。今回はリバプールが今季も快進撃を続ける要因についてポイントを絞って紹介する。
1、的確だった昨夏の補強
※昨夏の主なリバプール加入選手
・アリソン・ベッカー(前所属:ローマ)
・ナビ・ケイタ(前所属:ライプツィヒ)
・ファビーニョ(前所属:モナコ)
・ジェルダン・シャチリ(前所属:ストーク・シティ)
昨季までベルギー代表GKシモン・ミニョレやGKロリス・カリウスのパフォーマンスが安定しないことが大きな課題となっていたが、昨季にローマをCLベストに導いたアリソンの獲得は守備面での安定に大きく寄与している。プレミアリーグではわずか22失点とリーグ最少を誇る数字となっている。また中盤センターではナビ・ケイタやファビーニョが戦力の底上げに貢献したほか、シャチリは攻撃面で効果的なオプションとして機能した。
2、ファン・ダイクの貢献度
昨冬にサウサンプトンからディフェンダーとして史上最高額となる7500万ユーロ(約92億円)でリバプールに加入したオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクはディフェンスリーダーとして数多くのストライカーを苦しめてきた。今季はリーグ戦全試合で先発出場を果たしているほか、CLでは累積警告により出場停止となったベスト16の1stレグ・バイエルン・ミュンヘン戦以外全試合でフル出場を果たすなど大車輪の活躍を見せている。さらに同選手はプレミアリーグでの好パフォーマンスが認められる形でイングランド・サッカー選手協会(PFA)の年間最優秀選手賞に輝いている。
3、周囲の評価を覆したマネのパフォーマンス
エジプト代表FWモハメド・サラー、ブラジル代表FWロベルト・フィルミーノとともに強力な攻撃陣の一角を担っているセネガル代表FWサディオ・マネは昨季リーグ戦で10ゴール10アシストをマークしていたものの、周囲からの評価はサラーらと比較して劣るものだった。しかし今季はリーグ戦で22ゴールをマークし、アーセナルのガボン代表FWピエール=エメリク・オーバメヤンやサラーと並んで得点王に輝いている。
4、名将クロップの手腕
かつてボルシア・ドルトムントを率いていた時代に2012/13シーズンにCLファイナリストとなった経験を持つ熱血漢ユルゲン・クロップは、2015年夏にリバプール指揮官に就任すると、2015/16シーズンこそ8位に終わったものの翌シーズン以降はトップ4圏内を維持。またCLでも昨季に決勝まで勝ち進むと、今季はバルセロナとの準決勝2ndレグで一部主力を欠く中で4-0という大逆転劇に導く采配を振るっている。クラブ首脳陣も2022年夏までの長期契約を結ぶなど、同監督の手腕を高く評価している。
5、リバプール黄金期の始まり
かつてリバプールは18度のリーグ制覇を成し遂げる古豪であったものの、1989/90シーズンを最後にリーグタイトルから見放されている。またCLでも2004/05シーズンにおける「イスタンブールの奇跡」以降しばらくは縁が無かったものの、今季こそタイトル奪取最大のチャンスを迎えている。決勝の相手は智将マウリシオ・ポチェッティーノ率いるトッテナム・ホットスパーであるが、CLの舞台における経験値ではリバプールの方に分があるかもしれない。
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