欧州主要リーグの中で一足先にプレミアリーグの移籍市場が終了。すでにリーグ開幕戦を全20チームが消化した。そこで今回は夏の補強を振り返りたい。英誌『フォー・フォー・ツー』が特集した「プレミアリーグで最もお買い得だった移籍」をご紹介する。
スチュアート・アームストロング
移籍先:サウサンプトン
移籍元:セルティック
推定移籍金:700万ポンド
セルティックの中心選手であり、リーグ7連覇に貢献。ゴードン・ストラカン監督(セルティック監督時代に中村俊輔を指導)のもとスコットランド代表デビューも飾った。「ボックス・トゥ・ボックス」タイプで守備面だけでなく得点力も期待できるMFだ。現在26歳でさらなる成長が期待できる。
ジョアン・モウチーニョ
移籍先:ウルバーハンプトン・ワンダラーズ
移籍元:モナコ
推定移籍金:500万ポンド
敏腕代理人ジョルジュ・メンデスの顧客であり、お得意先のウルバーハンプトンへ移籍を果たした。現在31歳となったモウチーニョは、W杯、EURO、CLという大舞台を経験しただけでなく、クラブで8つのタイトルを獲得している。プレミアリーグへ昇格したチームにとって貴重な経験を与えてくれる存在となるだろう。同胞のルベン・ネベスと組む中盤はプレミアトップ6をも脅かすかもしれない。
ルーカス・ペレス
移籍先:ウェストハム・ユナイテッド
移籍元:アーセナル
推定移籍金:400万ポンド
アンドリー・ヤルモレンコやフィリペ・アンデルソン、ライアン・フレデリックス、ジャック・ウィルシャーなど大型補強を敢行したウェストハム。上記の選手たちよりも、ルーカス・ペレスをわずか400万ポンドで獲得出来たことの方が評価に値するだろう。
リュカ・ディニュ
移籍先:エバートン
移籍元:バルセロナ
推定移籍金:1800万ポンド
今夏、バルセロナとエバートンの間で3人の選手が取引された。ジェリー・ミナ、アンドレ・ゴメス、そしてリュカ・ディニュだ。前所属クラブでは、絶対的な左サイドバックのレギュラーであるジョルディ・アルバに隠れていたが、彼の能力に疑いはないだろう。PSGでもローマでも活躍し、2014年W杯とEURO2016でもフランス代表としてプレーしており実績は十分だ。
ジェルダン・シャチリ
移籍先:リバプール
移籍元:ストーク・シティ
推定移籍金:1300万ポンド
ストークは降格したことでシャチリの移籍を許可せざるを得なかったが、リバプールが他のクラブとあまり競合することなく、わずか1300万ポンドで獲得出来たことは驚きだ。安定したパフォーマンスを見せられていなかったシャチリだが、2017/2018シーズンはクラブ最多となる8ゴールに加え、7アシストを記録。チーム全体の3分の1のゴールに関与している。
マックス・マイヤー
移籍先:クリスタル・パレス
移籍元:シャルケ
推定移籍金:フリー移籍(ゼロ)
ドメニコ・テデスコ監督のもと成功を収めた2017/2018シーズンのシャルケで重要な役割を担っていたマイヤー。契約内容の改善を求めて交渉を続けていたが決裂。6月末でフリーエージェントとなっていた。アーセナル、バイエルン・ミュンヘン、アトレティコ・マドリードといったクラブが獲得に興味を示していると報じられていたが、オファーまでは至らなかった模様。クリスタル・パレスで成長し、さらなるビッククラブへの挑戦に期待したい。
マルク・ナバーロ
移籍先:ワトフォード
移籍元:エスパニョール
推定移籍金:300万ポンド
ワトフォードにとっては素晴らしい補強だ。たしかに、マルク・ナバーロの獲得に成功した時、メディアに多くの見出しが掲載されていなかったかもしれない。それでもバルセロナ下部組織出身の実力者をわずか300万ポンドで手に入れたことは正当に評価すべきだ。
ルーカス・トレイラ
移籍先:アーセナル
移籍元:サンプドリア
推定移籍金:2650万ポンド
数年前の2650万ポンドは高額であったが、「ネイマール移籍後の世界」では比較的低価格といえる。トレイラは長年アーセナルが求めていたタイプの選手だ。小柄ながら頑丈で強靭な身体を持ち、中盤で存在感を発揮できる。技術的にも高いレベルにあり、ロングシュートで得点も狙える。
ジョニー・エバンス
移籍先:レスター・シティ
移籍元:ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン
推定移籍金:350万ポンド
昨季、マンチェスター・シティ、トッテナム・ホットスパー、アーセナルといったクラブからの関心が報じられていたエバンスだがレスター・シティ移籍を決断。同クラブを率いるクロード・ピュエル監督には「(彼は)勝者でありリーダーだ」と賞賛されている。長期間「プレミアリーグ最低のDF」と低評価を受けていたが、ボール捌きに優れ、ゲームを読む能力を持っている。ハリー・マグワイアとのコンビは大いに期待できる。
マルティン・ドゥブラフカ
移籍先:ニューカッスル・ユナイテッド
移籍元:スパルタ・プラハ
推定移籍金:400万ポンド
昨季途中にニューカッスルへ加入すると、プレミアリーグ昇格に貢献する安定感のあるセーブを見せた。鋭い反射神経とセービング技術に加え、足元の技術も長けておりラファエル・ベニテス監督が志向するサッカーと相性が良い。完全移籍で獲得出来たことは素晴らしい補強と言える。
ルイ・パトリシオ
移籍先:ウルバーハンプトン・ワンダラーズ
移籍元:スポルティング
推定移籍金:フリー移籍(ゼロ)
スポルティングにとっては悲劇だった。選手やスタッフへの襲撃事件が起き、スター選手は契約解除を求めフリーエージェントとなってしまった。そのうちの一人がルイ・パトリシオだ。ウルバーハンプトンは移籍金ゼロで獲得に成功。彼の豊富な経験はチームに多大なるメリットをもたらすだろう。
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