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母国で批判を浴びたネイマール、好パフォーマンスに影を落とした未熟な振る舞い

ブラジル代表のネイマール 写真提供:Getty Images

 一方でかつてアーセナルやバレンシア、コリンチャンスでプレーし、現在はチッチ監督の右腕としてブラジル代表チームのコーディネーターを務めるエドゥは「ネイマールの立場は簡単ではない。彼が耐えなければいけない痛みは、時に気の毒になるほどだ」と擁護したが、その発言はメディアからの批判を更に強めてしまった。

 『グローボ』で解説者を務める元ブラジル代表FWワルテル・カーザグランデは、エドゥの発言に真っ向から反論している。

「私が気の毒に思うのは、朝の5時や6時に起きて3つのバスを乗り継いで仕事に行く典型的なブラジルの労働者だ。ネイマールへの大きな要求は、彼の大きな才能と釣り合っている。そのような立場にある人間は、リーダーになる準備ができているべきだ。26歳になり以前よりは成長しているが、それでも理想とはほど遠い。痛恨ではあったが誇るべき敗戦の後で、最低でも国民に向けて話さないといけなかった。インスタグラムに投稿するのは簡単で、あまり意味を持たない」

 たしかにネイマールは足の手術から回復したばかりで3ヶ月間プレーしておらず、チッチ監督は決勝トーナメントまでコンディションは万全にならないだろうと予想していた。そのため大会序盤は温存される可能性さえあったが、最初の数試合の状況がそれを許さなかった。しかし彼が何よりも批判されているのは、26歳の父親ではなくわがままなティーンエイジャーのようなその振る舞いだ。

「彼の選手としてのレベル、才能を考えれば彼の貢献は小さすぎた」と『ESPNブラジル』の解説者マウロ・セーザルは言う。「例えばアザールは1歳だけ年上だが、その知性、成熟度、経験においては10年の差があるように見える」

 数字だけを見れば、ネイマールは既にブラジルサッカー史上のレジェンドたちと肩を並べている。カナリア色のユニフォームで90試合57得点を記録し、歴代得点記録で上にいるのはロナウド(62得点)とペレ(77得点)だけだ。しかしこの2人や世界最高の選手に選ばれたロマーリオ、リバウド、ロナウジーニョやカカといった偉人たちと同じレベルに立つには、彼にはまだ足りないものも多い。大きく成長しブラジル国民のハートを勝ち取るための時間は、まだ残されている。

著者:チアゴ・ボンテンポ

1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。

Twitter: @GunnerTNB

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