ALL

アンダーシャツに込められた選手のメッセージ

FIFA(国際サッカー連盟)は2004年6月にシャツを脱ぐ行為を禁止。数ヶ月後には、シャツを頭より上にたくし上げた場合、脱いだとみなすとさらに明確な定義を示した。10年後の2014年には「今後はどのようなスローガンや画像であれ下着に書き入れることを一切禁じる」と明文化した。

現在は処分の対象となるが、ロシアワールドカップでも下着にメッセージを書いて発信した選手がいる。そこで今回は、サッカー選手たちが発信したメッセージをご紹介したい。


カカ

『I BELONG TO JESUS』

2006/2007シーズンUEFAチャンピオンズリーグ決勝の試合後に撮られた写真だ。敬虔なキリスト教徒であるカカはアンダーシャツに『I BELONG TO JESUS』と書き込んだものを着用していた。


アンドレス・イニエスタ

『Dani Jarque siempre con nosotros』
(ダニ・ハルケ:君は永遠に俺たちと共にある)

2009年、エスパニョールに所属していたイニエスタの大親友ダニ・ハルケが急性心筋梗塞により死亡。失意の中、2010年南アフリカ・ワールドカップを迎えた。

迎えたオランダ代表とのワールドカップ決勝の延長後半。115分間無得点が続いた試合の均衡を破ったのはイニエスタだった。喜びを爆発させるイニエスタは、得点後にユニホームを脱いでアンダーウェア姿に。手書きした『DANI JARQUE SIEMPRE CON NOSOTROS』(ダニ・ハルケ、僕たちはいつも一緒だ)のメッセージを全世界に披露した。


マリオ・バロテッリ

『Why always me?』

2011年10月、オールド・トラフォードで行われたマンチェスター・ユナイテッド戦でゴールを決めた後、『Why always me?』とプリントされたアンダーシャツを披露した。バロテッリは試合の数日前に、自宅のバスルームで友人たちと花火を行い小火騒ぎを起こしていた。


ディミタール・ベルバトフ

『Keep Calm and Pass Me the Ball』

2012年のプレミアリーグ第19節でフラムに所属していたベルバトフはユニークなメッセージを発信した。「落ち着いて僕にパスを出せ」。

当時のマルティン・ヨル監督は「彼は毎日若い選手たちに自信をもってプレーすること、ボールをキープすること、そして恐れずプレーすることを説いている」と擁護していた。


ルイス・スアレス

『Welcome Benja. Los Amo!!!』
(ベンハ、産まれてきてくれてありがとう)

ブラニスラブ・イバノビッチに噛み付いたことで長期出場停止を科せられていたスアレス。復帰戦となった2013年のプレミアリーグ第6節でゴールを記録。

得点後に見せたアンダーシャツには、同年9月26日に誕生した長男ベンハミンさんへのメッセージと、妻・ソフィアさん、長女・デルフィーナさんが笑顔でベンハミンさんを抱く写真がプリントされていた。


ダニエル・スバシッチ

『Forever』

ロシアワールドカップで印象的なビックセーブを連発しているクロアチア代表GKダニエル・スバシッチは、『Forever』という文字と共にフルボイェ・チュスティッチの写真がプリントされた下着を着用している。

NKザダルに所属していたチュスティッチは2008年、試合中にピッチ横の壁に頭部をぶつけ、意識を失った。すぐに病院で手術を受けたものの昏睡状態に陥り、数日後に感染症で容態が悪化。事故から6日後に脳死と診断された。

スバシッチは当時同じNKザダルに所属しており、1歳違いの同僚であった。悲劇的な事故で亡くなってからちょうど10年。スバシッチはチュスティッチの想いを受け継ぎ、悲願のワールドカップ制覇に挑む。