代表チーム 日本代表

次期日本代表監督有力候補のユルゲン・クリンスマンとはどんな人物か

ロシアワールドカップをベスト16で終えた日本代表。西野朗監督の退任が発表され、次に指揮を獲る監督が誰になるのか、話題を集めている。その中でも就任の可能性が高いとされているのが、元ドイツ代表のユルゲン・クリンスマン氏。そこで今回は、クリンスマン氏がどんな人物なのか紹介する。


選手として。その1

シュトゥットガルター・キッカーズで1981年にプロキャリアをスタートさせたクリンスマン氏は、1984年に同じ街に本拠地を置くシュトゥットガルトに移籍。89年までプレーしたこのクラブで156試合に出場し79得点を記録した。この時にチームメイトだったのが、浦和レッズでもプレーした経験を持つ、ギド・ブッフバルト氏。彼らは非常に仲がいいことでも知られている。


選手として。その2

インテル、モナコ、トッテナム・ホットスパーと渡り歩いたクリンスマン氏は、どのクラブでもエースストライカーとして活躍。その後バイエルン・ミュヘンやサンプドリアを経て、2003年にアメリカのオレンジ・カウンティで8試合プレーして引退した。現役時代はUEFAカップで2度、ブンデスリーガで1度優勝した。


代表キャリア

1987年にデビューすると、3年後のW杯イタリア大会にエースストライカーとして出場。3得点を決める活躍で、見事に西ドイツを優勝へと導いた。1996年にイングランドで行われたUEFA欧州選手権にも出場して、決勝でチェコを破り優勝した。W杯には1990年、1994年、1998年と出場した。引退後に史上5人目となるドイツ代表の名誉キャプテンに選ばれた。


監督として。その1

監督として初めて指揮を執ったのはドイツ代表。2002年の日韓W杯でチームを準優勝に導いたルディ・フェラー氏の辞任を受けて就任した。批判を恐れぬ積極的な若手登用で、2006年の自国開催W杯で3位に輝いた。しかしこの大会を最後に辞任。テレビのコメンテーターに転身する。


監督として。その2

クリンスマン氏が再びベンチに戻ってきたのは2008年。オットマー・ヒッツフェルト監督の後任としてバイエルンの監督に就任。ここでもドイツ代表の時と同様に改革を進めた。しかし2009年に解任。2011年にアメリカ代表の監督に就任する。自身がカリフォルニアに住んでいることもあり、クリンスマン氏にとっては理想の職場だった。ドイツ代表とバイエルン同様に若手登用に踏み切り、二重国籍の選手を多く起用するなどして力を付けた。2014年のブラジルW杯では、決勝トーナメント1回戦でベルギーに延長戦の末に敗北。2016年にW杯予選での不振を受けて解任された。


もしもクリンスマン氏が日本代表監督になったら?

監督キャリアからも分かるように、大幅なチームの刷新が行われるだろう。特に今回のW杯を戦った日本代表の主力選手の多くが30歳を超えていたこと、そしてすでに何人かの選手が代表引退を表明したことを考えれば、その流れにはなるだろう。彼自身の性格面で言うと、2016年まで率いたアメリカにおける彼への評価は2分されているらしく、バヒド・ハリルホジッチ氏がそうであったように、メディアと対立することを恐れないパーソナリティの持ち主でもある。


コーチ陣は?

上でも述べた通り、ギド・ブッフバルト氏と親友関係になるクリンスマン氏。日本で選手としてもプレーし、監督としてJリーグとACLで優勝した経験を持つブッフバルト氏の入閣は、日本のサッカー界にとってもプラスに働くはずだ。そういった意味で、日本語を操ることのできるピエール・リトバルスキー氏などの入閣もあるかもしれない。また、今回のW杯で日本人指導者にけいけんを積ませたように、若くて将来有望な日本人指導者がチーム入りする可能性もあるかもしれない。


可能性は?

クリンスマン氏が就任するのことは、今までの日本サッカー協会の動きを考えれば驚きではないだろう。3月にドイツサッカー協会との提携関係を更新し、4月にはバイエルン・ミュヘンとパートナーシップ協定を結んだ。田嶋幸三会長もドイツでサッカーを学んだ経験を持ち、ブンデスリーガには日本人選手が多く在籍している。また、今回のW杯中継で彼がイギリスBBCで日本戦の解説を担当したことも興味深い。