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大会:ロシアワールドカップ
カード:セルビア対ブラジル
スコア:0-2
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS )
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チーム監督
・主審
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セルビアMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):ブラディミル・ストイコビッチ
幾度となく大ピンチを招きながらも、最後の砦としてゴールを死守した。1点目は彼の責任とは言い難く、2失点目はノーチャンスだった優れた反応と飛び出しの判断、シュートコースを消す技術が非常に優れていた。
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セルビアTHW(ザ・ハード・ワーカー):ネマニャ・マティッチ
チームの大黒柱はこの試合でも好守に大車輪の活躍。ボール奪取からフィニッシュの局面まで顔尾を出し、フィジカル面のミスマッチを活かしてブラジルの選手たちを寄せ付けなかった。
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セルビアMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ
決して悪い出来ではなかったものの、もっと決定的な仕事をしなければいけない存在であることに違いないため、失望を感じさせるパフォーマンスだった。戦術的な理由により、セントラルミッドフィールダーとして出場。後半に少しポジションを上げたが、もっとゴールに絡むようなプレーが必要だった。
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ブラジルMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):フィリペ・コウチーニョ
まだコンディションが万全ではなさそうなネイマールに代わって、攻撃を操ったコウチーニョ。下がってビルドアップに参加し、前向きでボールを持った時には創造性あふれるプレーで、セルビアのディフェンダーを翻弄し続けた。トレードマークのミドルシュートこそ不発に終わったが、今のブラジル代表には最も欠かせない選手だ。
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ブラジルTHW(ザ・ハード・ワーカー):チアゴ・シウバ
勝負を決める2点目をゲット。鋭い予測でインターセプトを狙いながら、クロスボールに対しても強さを発揮した。ミランダとの連携もよく、セルビアの攻撃陣に中央で自由を与えることがなかった。
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ブラジルMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):ファグネル
サイズのミスマッチを再三狙われて大苦戦。最後まで身体を張って奮闘していたものの、このチームにおいて狙いどころに定められていたことに間違いはない。攻撃面でも目立った活躍はできず。
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セルビア監督:ムラデン・クルスタイッチ
勝てば自力で決勝トーナメント進出を決められる状況で迎えたこの試合。ミリンコビッチ=サビッチを一列下げたセントラルミッドフィールダーで起用し、マティッチとのツインタワーを形成。ブラジルの攻撃をここで食い止めようと考えていたのだろうが、後半開始から20分ほどまでしかこのシステムが機能しなかった。先発起用したリャイッチはサイドに流れて基点を作り、攻撃にスピードを加えていたが、カゼミーロを攻略しきれなかった。ミリンコビッチ=サビッチを一列前で起用する方が結果としては良かっただろう。守備面でブラジルのスピーディーな攻撃に対応できず、ショートカウンターを受け続けた。
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ブラジル監督:チッチ
後半に押し込まれた時間があったものの、盤石の内容で完勝。チッチ監督が植え付けた堅い守備はセルビアのサイドアタックにもひるまなかった。ダニーロが負傷で先発を外れた上に、アクシデントに寄りマルセロが試合序盤にピッチを後にし、両サイドバックのレギュラーを欠く苦しい展開になったが、カゼミーロを2枚のセンターバックを中心にセルビアのカウンターの芽を摘みながら、前線の選手に早めにボールを付けることで相手をけん制。試合巧者で“強い”ブラジルを印象付ける試合となった。
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主審:アリレザ・ファガニー
序盤にオフサイドを見逃すなど、多少不安定な部分を感じさせた。しかし、ブラジルの2得点目の場面でミランダのファウルをとらなかったのは正しい判断だった。大会のレギュレーションを考えても、カードを最小限に抑えたことは評価できる。
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