大会:ロシアワールドカップ
カード:スペイン対モロッコ
スコア:2-2
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS )
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チーム監督
・主審
スペインMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):イスコ
ピッチ上を自由に動き回り、スペインの攻撃の潤滑油に。同点弾を記録しチームのグループ1位通過に大貢献した。まだボールを持ちすぎるところはあるものの、イニエスタとの相性が試合を追うごとによくなり、左サイドでの崩しの精度も上がってきている。
スペインTHW(ザ・ハード・ワーカー):チアゴ・アルカンタラ
イニエスタとともにインサイドハーフで先発出場し、ブスケツを含めたバルセロナのカンテラーノたちで構成された中盤で抜群のバランス感覚を見せた。スペイン代表の中でもユニークなスキルを持っているチアゴは攻撃のスパイスになっていた。
スペインMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):両センターバック
1失点目につながったボールロストは半分は彼のミス。2失点目でエンネシリについていたのもラモス。直接的に失点に絡んでしまった。一方のピケは、試合序盤にレッドカードの対象としてVARで審議が行われてもおかしくない危険なタックルをし、失点には至らなかったものの、スローインからブダイブの突破を許した。後半には幸運にも見逃されたハンドがあり、ミスの多い試合を過ごした。
モロッコMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):ハキム・ツィエク
攻撃面で決定的な仕事をすることはなかったものの、守備面でインターセプトを多数記録するなどチームの一員として交代するまで働き続けた。ボール奪取後に再び取り返されてピンチを迎えないための逃げ場として、ツィエクのキープ力は確実にチームに安心感をもたらしていた。
モロッコTHW(ザ・ハード・ワーカー):ロマン・サイス
決定的なシュートブロックを記録。ベナティアがいない中でディフェンスリーダーとしてチームを引き締め続けた。カバーリングでも素晴らしい予測を見せる場面があり、優勝を狙うスペインをあと一歩まで追い詰めたチームで存在感を放った。
モロッコMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):対象者なし
スペイン代表監督:フェルナンド・イエロ
チアゴを先発起用し、攻撃のリズムを少し変えたスペイン。ポルトガルとの試合ではイスコとイニエスタとアルバの左サイドの三角形が上手く機能しない場面が見受けられたものの、この試合ではよりスムーズにボールが運べるようになっていた。1得点目はまさにそれが観られた場面だったと言えよう。強固なモロッコの守備に対して2度も追いついたことは非常にポジティブだと言っていい。唯一の不安材料は守護神デ・ヘアにシュートセーブが少ないこと。マンチェスター・ユナイテッドと違い、シュートを受けることが少ないのも影響しているのか、リズムが悪く、シュートを見逃すシーンが多い。
モロッコ代表監督:エベル・ルナール
スタートポジションは4-2-3-1ながら、守備時はエル・アマディがアンカーの位置に入ってブスファが一列上がった4-1-4-1の体系でブロックを敷いていた。ボールを奪ってからのカウンターの推進力は目を見張るもので、スキルを持ったツィエクやベランダが自分のポジションを守りながらチームとしての役割をきっちり遂行していた。ベナティアを先発から外し、ダ・コスタを先発させた判断には疑問が残るが、チームの士気は3試合通して常に高いままだった。グループステージで姿を消すには惜しいほど、組織的にも個々のタレント的にも愛嬌があるチームだ。若い選手が多いので4年後に再びこの舞台に戻ってくることを期待したい。
主審:ラフシャン・イルマトフ
アジアでも屈指の優秀なレフェリーは、テンションが張りつめたこの試合をうまくさばき切ることができなかった。序盤のピケのチャレンジは、レッドカードが提示されてもおかしくなかったが、イエローカードすら提示されず。終始激しくプレーしていたモロッコの選手に2枚目のイエローカードが出されても不思議ではなかった。さらに後半開始直後のピケの明らかなハンドも見逃した。
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