ワールドカップ 代表チーム

ジンクスを克服したスリーライオンズ、パナマ戦に向けたプランとは?

今大会はチュニジア戦でこれまで背負っていたグループステージ初戦の「ジンクス」をはねのけて3ポイントをつかんだイングランド代表は、日本時間24日晩にパナマとの対戦を控える。
この一戦で勝利すればグループステージ突破が決定するだけに万全の体制で臨みたいところだが、ガレス・サウスゲイト監督には少々悩んでいるポイントがあるかもしれない。そこで今回はパナマ戦を前にイングランド代表の現状を紐解いていく。


3バックシステム再考の余地

W杯初戦のチュニジア戦の後半を振り返ると、イングランドがポゼッションを握り敵陣に押し込む時間帯が長かった。チュニジアが守備に人数を割いていたことを考慮すると、センターバックの枚数を1枚削っても面白いのではと思ったファンも少なくないだろう。
これに加え、センターフォワードの1列下のポジションで本職がサイドバックであるレスター・シティのハリー・マグワイアやマンチェスター・シティのカイル・ウォーカーを起用していたことは対戦相手のカウンター阻止に大きく関与したのではないのだろうか。


3バックシステム再考の余地

イングランドはパナマ戦でもポゼッションを握ることが予想される。これはパナマがW杯初戦のベルギー戦でのポゼッション率が38%であったことはイングランドのポゼッションを裏付ける根拠の1つとなるだろう。相手がコンパクトな守備陣形を形成しアタッキングサードでの攻略が難しくなる可能性が高いだろう。


スターリングとラッシュフォードの選択

マンチェスター・ユナイテッドのマーカス・ラッシュフォードは膝を痛めたことにより先週行われたトレーニングに約3日間姿を見せていない。そのためパナマ戦ではラッシュフォードと同ポジションを主戦場とするマンチェスター・シティのラヒーム・スターリングを先発起用する可能性が高まっている。
この2選手の起用方法についてはチュニジア戦でのパフォーマンスも参考材料の1つとなるだろう。

この試合でスターリングは前半に何度か決定機を演出していたものの、アタッキングサードでの創造性に欠け、66分にラッシュフォードとの交代でベンチに下がっている。


スターリングとラッシュフォードの選択

そのスターリングと交代でピッチに入ったラッシュフォードはオフザボールでの動きやゴールに予感を漂わせるシュートを放つなど、チームが再びゴールに向かう原動力となった。


デレ・アリの代役

トッテナム・ホットスパーのデレ・アリはチュニジア戦で太ももを痛め、途中交代を余儀なくされている。同選手は全体トレーニングに復帰しているものの、パナマ戦では先発メンバーから外れる可能性が指摘されている。


デレ・アリの代役
サウスゲイト監督はチュニジア戦でルーベン・ロフタス=チークを起用しており、デレ・アリの代役として白羽の矢が立てられている。ファビアン・デルフやエリック・ダイアーも中盤センターを本職とする選手ではあるものの、守備的な布陣で臨むであろうパナマに対してより前かがりに攻撃を進めるためにも、ロフタス=チークの先発起用を予想する声が大きいようだ。


ヤングとローズの選択

マンチェスター・ユナイテッドのアシュリー・ヤングはチュニジア戦でのパフォーマンスは決して悪いものではなかったものの、トッテナム・ホットスパーのキーラン・トリッピアーの方がより良いパフォーマンスを披露していただろう。

トリッピアーはヤングよりも2倍の数のクロス(10本)を供給していることに加え、決定機演出に結びついているパスの本数もヤングの3倍(6本)であった。


ヤングとローズの選択

一方、トッテナム・ホットスパーのダニー・ローズはサイドでのプレーを得意とし、左脚からのクロスに定評がある。ヤングの利き足は右であることに加え、中央へのカットインが可能である。