Jリーグ 浦和レッズ

浦和レッズ巻き返しへの土台となる、日本代表2人を擁する堅守のメカニズム

対角線のロングパスを多く供給したG大阪戦前半の遠藤のパスマップ。青が正確、灰色が不正確を表す。 写真提供:Getty Images

 また遠藤と槙野はどちらも最終ラインの中央、サイドの両方でプレーが可能な選手だが、その得意とするプレーは異なる。現在の浦和の3バックはその役割分担によって、マウリシオだけでなくこの2人の持ち味も引き出している。中長距離のパスに定評のある遠藤は自陣から前線にボールを供給し、特にG大阪がサイドのスペースをうまくケアできなかった前半は対角線の正確なパスで攻撃を組み立てた。パスの総数はチームトップとなる66本で(槙野は38本)、ビルドアップの重要な起点となっていたことが分かる。

 一方で遠藤の最も得意とするプレーではない、ゴール前の空中戦や競り合いを主に担うのが槙野だ。G大阪戦の空中戦の回数はチーム2位の9回(最多は橋岡大樹の10回)で、遠藤の5回、マウリシオの3回を大きく上回っている。また長澤駿とは11回のデュエルを展開し、体を張った守備で192cmの長身ストライカーを食い止めた。

 就任以来連戦が続いたオズワルド・オリベイラ監督は、リーグの中断期間を利用して自身の志向するサッカーをチームに浸透させることを明言している。ブラジル人指揮官が率いた2007年からの5シーズンで鹿島アントラーズの失点数は試合数を下回っており(J1で170試合167失点)、歴史をさかのぼれば浦和もかつては堅守で知られたチームだった。今季鹿島と並んでリーグ最少得点の攻撃力の改善は必須課題だが、各選手の特徴を活かした盤石のディフェンスはリーグ後半戦の巻き返しに向けた礎となるだろう。

著者:マリオ・カワタ

ドイツ在住のフットボールトライブライター。Twitter:@Mario_GCC

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