対岸で相見えた2人のイタリア代表守護神
17シーズンにもわたりビアンコネーロのゴールマウスを守る“生ける伝説”ことジャンルイジ・ブッフォンとアッズーリ(イタリア代表の愛称)でブッフォンの後継者として自身の名を広めているジャンルイジ・ドンナルンマ。この2人がセンターサークルを挟み相対するのは今季3度目のことであるが、この2人は常に国を背負う守護神として周囲から比較され続け、大いなる期待を背負うことが多いのは周知の事実である。ところがドンナルンマはローマでの大舞台におけるパフォーマンスで今季限りで「グローブを外す」ことが確実視されている“生ける伝説”との差が如実に現れることとなる。
後半に入り拮抗した展開が続くかと誰もが思っていたその矢先、左サイドからのCKからDFメディ・ベナティアがDFアレッシオ・ロマニョーリのマークを振り切り頭で合わせるとこれがゴール左隅に吸い込まれ、ユベントスが試合を動かす。この先制ゴールにはシュートに対する反応速度の速さに定評のあるドンナルンマでもノーチャンスだったと割り切っていたことだろう。しかしその直後のプレーでこの一戦の行方を大きく左右する“若さ”を露呈することとなる。
61分、右サイドのクアドラードからパスを受けたドウグラス・コスタがドンナルンマの守るゴールマウスに向かい左脚を振り抜くと、この19歳はキャッチングを試みる。しかし濡れたピッチコンディションの影響があったのかドンナルンマはシュートをキャッチしきれず、両手からこぼれたボールは無情にもゴールネットに吸い込まれた。さらに64分、CKからクロアチア代表FWマリオ・マンジュキッチが頭で合わせると、ドンナルンマはここでも正面に来たシュートをキャッチできず、こぼれ球をモロッコ代表DFメディ・ベナティアにあっさりと押し込まれる。
ミランはこの後もオウンゴールを献上することとなるが、実質この3失点目で勝負の決着はついたと誰もが思ったに違いない。試合後には予想通り、イタリアメディアによる採点の短評にはドンナルンマのパフォーマンスを酷評するコメントが並んでいた。これに対しブッフォンは枠内シュート6本を浴びているものの、全てセービングで防いでおり、タイトルをかけた大一番における経験の差が明確に表れた格好だ。
ただそれでも雨で濡れたスタディオ・オリンピコのピッチ上で自らのミスでタイトルを逃したことを気負う将来性豊かな“19歳”に対し、ブッフォンの控え守護神としてかつて5シーズンにわたりユベントスに在籍していたGKマルコ・ストラーリが、リーグ戦残り2試合に向け奮起を促すシーンに目を奪われたティフォージは少なくないだろう。ミランが今季の最大目標に掲げている“欧州復権”に向けた第一段階を突破すべく、アタランタ、そしてフィオレンティーナとの激戦を制し、来季ヨーロッパリーグ出場権を獲得するためにも、この若武者に下を向く時間は与えられていない。
著者:津田翔汰
フットボールトライブ編集部。Calcio,Bianconeroをこよなく愛する若武者
Twitter:@specialheart889
SC相模原のホームゲーム来場せず…相模原市長の対応が話題。スタジアム移転計画に苦言
文: Shota | 2025/7/14 | 141
広島スキッベ監督は不満…清水幹部は「当たり前」過密日程巡り意見相違
文: Shota | 2025/7/15 | 57
2046年W杯はまた日韓共催…?韓国「日本単独は困難」と指摘の理由とは
文: Shota | 2025/7/17 | 49
浦和レッズ、クラブW杯で最下位…賞金は14億円のみゲット
文: Shota | 2025/7/13 | 45
C大阪戦・大阪ダービー前に…一部ガンバ大阪サポーターが問題行為
文: Shota | 2025/7/5 | 25