バーンリーが約半世紀ぶりの欧州の舞台へ
バーンリーの正ゴールキーパーでイングランド代表でもあるトム・ヒートンが、第4節のクリスタルパレス戦で負傷。ベンチに座っていたポープに出番が回ってきた。26歳のゴールキーパーにとってこの試合がプレミアリーグのデビュー戦だった。この試合でクリーンシートを達成したポープはそこから目覚ましい活躍を続ける。
「NBC Sports」によると、5月6日時点でクリーンシート11回はリーグ5位、セーブパーセンテージは78.1%を記録。これはダビド・デ・ヘアの79.6%に次ぐリーグ2位の数字だ。被シュート数が137本でリーグ10位であることを考えれば、いかにポープが優れたパフォーマンスを披露し、ゴールエリア内を聖域(popeは英語で法王の意味)としたかが分かるだろう。(ちなみにデ・ヘアは142本のシュートを浴びている。これはビック6で最多)
彼らは“運”がよかったから躍進したのではない。ヒートンの怪我に代表されるように、今シーズンのバーンリーでは主力の怪我が相次いだ。前述したブレイディは第15節に、シーズン終了となる膝の怪我で離脱し、ウォードやウッドが怪我でチームを離れなければいけない時期もあった。それでもそのたびにダイク監督が植え付けた「ネクストマン・アップ(主力が欠場しても、その次の選手が活躍しようとすること)」のメンタリティでチーム一丸となって乗り越えてきたのだ。
そして日本時間6日に行われた第37節、8位のエバートンがサウサンプトンとの試合に引き分けたために、バーンリーを勝ち点で上回ることがなくなり、7位以内でのフィニッシュが決定。1966/67シーズンに出場したインター・シティーズ・フェア・カップ(現在のヨーロッパ・カップの前身であるUEFAカップの前身)以来、実に51年ぶりに欧州の大会に出場することを決めた。
ショーン・ダイクに率いられたクラレッツが、ヨーロッパでもその“古風”で“地味”で“個性的”なスタイルを貫き、ダイク監督のダミ声が混じった赤紫の旋風を起こすことを期待したい。
著者:土屋一平
フットボールトライブ副編集長。通称「ペペ」。ベティスをこよなく愛す(ベティコ)。
Twitter:@PPDOLPHINS
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