Jリーグ サンフレッチェ広島

首位広島を牽引する川辺駿。鹿島戦のデータが示す独特のプレーエリアとスタイル

鹿島戦前半の川辺のアクション分布図。〇が成功、×が失敗を表す。 写真提供:Getty Images

 主にボランチ、時にトップ下でプレーした磐田時代と違い、広島で現在与えられているポジションは4-4-2に右サイドハーフだ。しかし鹿島戦前半のアクションの分布図を見ると、興味深いプレーの特徴が明らかになる。右サイドのタッチライン沿いのエリアをカバーすると同時に、ちょうどアタッキングサードに入るあたりでは中央、時には左サイドまで幅広いポジションを取っているのだ。そのためTの字を横向きにしたようなプレーエリアが浮かび上がる。

 鹿島戦で最初にチャンスに絡んだのも、左サイドからだった。立ち上がりの2分、自身の蹴ったセットプレーの流れから柏好文とのコンビネーションで敵陣深い位置に侵入し、際どいクロスを入れている。

 またその10分後にもフィールド中央でボールを前線に運び、最後は左サイドの柏にラストパスを提供してチャンスを演出した。ちなみにスタートのポジションは逆サイドであるにも関わらず、実際にはこの2人が近い距離でプレーすることは珍しくない。柏が2トップのパトリックとティーラシン、ボランチの稲垣と並んで川辺から最多のパスを受けていることからも、それが分かるだろう。

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