ペトロヴィッチ監督がサンフレッチェ広島、浦和レッズで築き上げたスタイルの最大の特徴のひとつが、攻撃時に両サイドの高い位置に張り出すウイングバックのポジショニングだ。セレッソ戦での札幌の平均ポジションを見ると、右サイドの駒井善成と左サイドの菅大輝がジェイらと並んで前線を形成していたのが分かる。
またボランチの1人が最終ラインまで下がり、3バックのサイドを押し上げてビルドアップを行うのも『ミシャスタイル』の代名詞だ。セレッソ戦では深井一希がポジションを下げてボールをさばく場面が目立ち、ボールタッチ数はチーム2位の58回(1位は福森の70回)、パス成功率では先発メンバーでトップの数字(88%)を残している。浦和では主に阿部勇樹が担っていたタスクだが、違いは深井が完全に最後尾まで下がる場面は少なく、また福森晃斗と進藤亮佑も積極的にオーバーラップする役割は担っていないことだ。これはペトロヴィッチ監督が自身の過去のサッカーに札幌の選手を当てはめるだけでなく、現状を考慮した上で適用していると捉えることができる。
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