ユヴェントスとトッテナム、チェルシーとバルセロナの互角の戦いにも関わらず、この感覚はベスト16でも強まるばかりだった。過去4大会の決勝に進んだのがたったの4クラブ(2001年から2004年は8つの異なるクラブだった)、同じ期間の準決勝進出が8クラブであるという事実を見れば、傾向がよりはっきりと見えてくる。最近のチャンピオンズリーグの序盤戦は、まるでごく一部のクラブのウォームアップのように感じられるのだ。
ここまで読んで欧州スーパーリーグの設立に話が進むことを予測していたら、あなたは鋭い。現在のような予想通りで単調な大会序盤は、いったい誰のためにあるのだろうか。有名クラブとの期待に満ちた一戦で、一瞬のうちに品位を落とすノックアウトを食らう「小さな」クラブのためではない。お互いと対戦して更にテレビ放映権料を稼ぎたいビッグクラブのためにもならない。UEFAとガスプロムら黒幕は、視聴者が興味を失っていない現時点では状況を変える必要性は感じていないだろう。しかしこの代替案は、彼らにとってもエキサイティングなものだ。
ビッグクラブ対小規模クラブの対戦が新しいスーパーリーグ誕生をほのめかす一方で、より興味深い考察をもたらすのはベスト16のビッグクラブ同士の対戦かもしれない。PSGのベルナベウ遠征は、このラウンド最大の試合だった。王者対成り上がりチーム、ロナウド対ネイマール、欧州サッカーの古い皇帝対若い王位を狙う者(つまり歴史的に最も金持ちだったクラブと、現在最も金持ちのクラブ)といった構図が注目を集めた。しかし実際の試合は、奇妙なほどスリルに欠けるものだった。PSGはリードを奪いながらも標準以下のレアル・マドリードを打ち負かせず、最後に2つの簡単なゴールを許して敗れた。
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