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迫るセリエAの大転換点。新たな放映権契約で戦国時代突入なるか

昨シーズン優勝のユベントス 写真提供:Getty Images

 ユベントスが支配的な現在のセリエAに競争力を与えるために、各クラブに均等分配される放映権料が50%まで引き上げられる予定で、これは現行より10%アップした数字ということになる。議論の的となっている「ファン数」によって分配されるカテゴリーも改正される予定だ。

 現行の契約で3億ユーロ(約395億円)の利益を得ていたアタランタは、2015-18シーズンの3年間の契約よりも1シーズンあたり約2500万ユーロ(約33億円)ほど収入が増える予定となり最大の勝者となった。サンプドリア(2400万ユーロ[約31億円])、ジェノア(2000万ユーロ[約26億円])、トリノ(1700万ユーロ[約22億円])も笑みがこぼれることだろう。最大の敗者はユベントスで1700万ユーロ(約22億円)の収入減となる予定だ。インテル(900万ユーロ[約12億円])、ローマ(1100万ユーロ[約14億円])、ラツィオとナポリ(それぞれ1700万ユーロ[22億円])はすべて収入が増える。

「メディアプロ」はセリエAには未開拓な部分があると信じており、彼らはリーガ・エスパニョーラの価値を押し上げたのと同じように、数年以内に利益を倍増させることができると感じている。来シーズンから現行の5つの異なるキックオフ時間設定を8つに増やし、視聴者を最大限増やせるように努力している。この戦略もすでにリーガ・エスパニョーラですでに実施されている。

 日曜15:00キックオフの試合は毎週3試合しか行われなくなるので、伝統を重んじる人にとっては憂鬱な状況になるかもしれない。アジア市場を開拓するために、例えば土曜15:00キックオフなどの時間にいくつかのビッグゲームが開催されることになっても不思議ではない。これは、「メディアプロ」がセリエAの放映権を獲得した数日後に、中国の企業が素早く「メディアプロ」の株の過半数を買収した現在、かなり現実的な案だと言えよう。ビジネスに偶然などないのだ。

 また「メディアプロ」はセリエAの試合を様々な方法で視聴できるようにするために、通信大手の「ティム」や「アマゾン」「パフォーム」などの企業と契約を結び、ストリーミング視聴できる環境を整えたいとしている。

 独占禁止法に関する結果は今後6週間以内に発表されるはずだ。もしゴーサインが出れば、イタリアサッカーにとって新たな時代の始まりとなるだろう。

引用元:Footballitalia

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