アジア 代表チーム

ハリル・ジャパンに欠けるもの。ハイチ選手が明かした日本代表のW杯への課題

ハリル・ジャパンに欠けるもの

著者:ショーン・キャロル
東京を拠点とする英国人ジャーナリスト。Jリーグとサッカー日本代表を2009年より報道している。日本の各新聞社および雑誌に多数寄稿しており、英国紙『FourFourTwo』を始めとした海外誌にも寄稿している。
Twitter: @seankyaroru

 8月31日にオーストラリアとの直接対決を制し、2018年ロシアワールドカップ本大会出場権を手にした日本代表は最高の状態を迎えていた。しかしながら、その後のアジア最終予選最終節のアウェイでのサウジアラビア戦は0-1で破れ、続く親善試合もニュージーランド戦は2-1の辛勝、ハイチ戦も3-3のドローという期待外れの結果に終わっている。

 この3試合の結果はバヒド・ハリルホジッチ監督の進退に影響を及ぼすことはなく、これまで出番のなかった多くの選手たちにチャンスだった。だが、ピッチ上から垣間見られた気の緩みは来年の夏に迎えるワールドカップ本大会での不安を掻き立てるものとなってしまった。

 本大会出場を賭け、サウジアラビア代表には勝利が必須だっただけにジッダでの敗戦は仕方なかったかもしれない。実際、日本代表もほとんどベストメンバーで試合に臨んでおり、パフォーマンスも悪くはなかった。しかし、先日のキリンカップでは攻守における問題が露わになった。もしサムライブルーが6大会連続で出場するワールドカップで結果を残したいのであれば、修正は必須だ。

 10月10日に日産スタジアムで行われたテストマッチで日本代表を苦しめた後、若いハイチ代表ストライカーのデュカン・ナゾンは「こういった戦い方のできる日本のようなチームがワールドカップ本大会に出場できるのだ」と話した。

「非常にハイレベルなチームだ。彼らはボールを素早く繋ぎ、選手たちも止まることなく、常に動き続けている。それだけにこういった結果が得られたことを私は誇りに思っている」

「我々はこれまでにも数多くの強豪国と対戦してきた。私はボールを動かすことのできる日本代表にはロシアで結果を残すチャンスがあると思っている。彼らはボールを素早く動かすと同時に、選手たちも常に動くことで、多くのパスを繋ぐことができるのだ。これは非常に重要なことで、対戦相手を苦しめることにもつながる」

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