【F1】全33節を終えて14得点、日本代表候補にも選出されたFP新井裕生が語った次の目標「これが最低限になるようにやっていかないと」

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[2.11 F1第33節 F選抜 4-0 町田 駒沢屋内]
それぞれの所属クラブでは、ほとんど出場機会を得られずにFリーグ選抜へと加入した若い選手たち。そのなかでも、最も飛躍を遂げた選手の一人がFP新井裕生だろう。

昨季、所属していたアグレミーナ浜松では、シーズンを通してノーゴールに終わったが、純粋なピヴォの選手がいないF選抜では、ピヴォ―アラとしてプレーしてゴールを量産した。その数は、リーグ全体でも19位となる14得点にも及んでいる。

18年11月には追加招集ながらも、日本代表のトレーニングキャンプにも初招集された。求められる多くの役割、異なるチームでの戦術に「頭がパンクしそう」になる時期もあったという。

だが、シーズン最終節を終えて、初代Fリーグ選抜が事実上の解散となることが決まった直後、新井はすでに次の目標を掲げ、新たな一歩を踏み出す決意をしていた。

以下、町田戦後のFP新井裕生のコメント
――AbemaTVでも、盛んに「昨年ゼロ得点が今年は14得点」と、言われていましたが。今、シーズンが終わって、どんな感想をお持ちですか?
新井 すごく充実していましたね。いろいろな意味で、寮での生活であったり、練習であったり、試合であったり。いろいろな面で成長できた1年だったかなと思います。

――最初は期待されていたチームではありませんでしたし、この顔ぶれでは結果を出すのが難しいと言われていました。それが最終順位は上半分まであと一歩の8位になりました。
新井 正直、やっていても(鬼塚)祥慶がいたらと思う部分もあって。彼がいたら、7位、6位というところが狙えた試合も、第3クールには特にあったと思います。浦安にも追いつかれましたし、仙台にも追いつかれて、大分にも追いつかれて、湘南にも逆転されて。そういうところが若さなのか、経験不足なのか。ああいう試合を勝てていたらなという思いのほうが、「やってやったぞ」っていう気持ちより強いですね。

――達成感より悔しさが残っているんですね。
新井 そうですね。でも、今日の勝利は素直にめちゃくちゃ嬉しいですけどね。

――昨日の試合がちょっと出し惜しみ感があったというか、積み上げたものを出し切れない展開になっていましたよね。
新井 ゲンさん(高橋優介監督)も言っていましたね。今日の試合が終わった時も、あらためて「昨日はなんであんなにダメだったんだ?」って言っていましたからね(笑)。「今日、これだけ良い試合ができたのに」って。

――プレッシャーのかけ方とか、素晴らしかったですよね。
新井 結構、序盤の入り方からしてすごく良い形で入れました。良い緊張感をもって、良いリラックスがあってという感じで入ることができました。結構、シュートまでいくシーンもあったし、チャンスも最初のファーストセットでありましたし、今年、一番良いくらいの入りができたと思います。

――室田祐希選手のドリブル以外、そこまで危ない場面がありませんでした。
新井 こっちもビッグチャンスがありましたが、それを(小幡)貴一も外していましたし(笑)。なのでまぁ、集大成が出せたかなと思います。

――このチームがここで終わるのは、本当にもったいないなという気がしますね。
新井 みんなでも結構、話をするのですが、近い目標だとすると、U-25の日本代表だと思っています。この年代が集まると思うので。

――インドア・ゲームズに出る日本代表ですね。
新井 もう一回、そこで集合しようという思いは持って、長い将来の目標を見たら、みんなでフル代表に呼ばれて、世界と戦えたらという気持ちでいます。それが、このチームをつくった意味だし、そこまでできて、やっとゲンさんに恩返しができたと言えるかなと思います。

――今後、みなさんは「F選抜1期生」みたいに言われ続けますからね。
新井 だから、本当に難しいのは来年です。それぞれのチームに戻り、ベテラン選手たちとのコミュニケーションなど、合わせるところなど、いろいろ難しいものがあると思うんです。今は若手同士で言いたいことも言えますし、やりたいこともやれる。結構、僕もこの1年間で自由にやらせてもらいました。それが浜松か、どこに行くかまだ決まっていませんが、来年行くチームで、今年以上のパフォーマンスを出せるかどうか。うまくいけば、ほかのチームにもうまい人がたくさんいるので、そこに生かしてもらいつつ自分の力を出し切ることができれば、来年以降もみんな注目される選手になれるのではないかなと思っています。

――特に新井選手には、14点という一つの目安ができましたからね。
新井 そうですね。

――もうピヴォでやっていこうという気持ちになりましたか?
新井 いや、結構、ゲンさんも俺にはあまり言ってこなくて、自由にやらせてくれていました。自分で考えて、「今日、ピヴォはちょっときついな」っていう時は、違うプレーもしていました。例えば今日だったら、ダニエルもいて、滝田さんもいたので、ちょっと降り気味にプレーしながら、もらえる瞬間があったらピヴォをやるとか。どちらかというと星(翔太)選手とかのようなプレーを意識しました。だから、次に行ったチームで、何を求められるかだと思うので、それに合わせて頑張っていきたいと思います。

――その一方で、F1でもやれる自信はみんな得られましたよね。
新井 そうですね。これが最低限になるようにやっていかないと、また代表に選ばれることもないと思いますし、1回呼ばれただけで、この先呼ばれるかと言われると、全然わかりません。そこが目標なので結果にこだわりながらやりたいです。

――まだトレーニングキャンプなので、君が代も聞いていませんからね。
新井 そうですね。出たいですね、ユニフォームを着て。あれが唯一の日本代表にならないように……消えないように、これからもっと…。まぁ、もっと良いパスが出てくるんじゃないかな、とも思いますからね(笑)。ベテランの選手たちは見えてるところが違いますし、経験もありますし、うまいですからね。

――浜松では特に昨季ゼロ得点でしたし、自分が戻ってどれだけできるかも楽しみですね。
新井 そうなんですよね。浜松も昨日、対戦して、パス回しとかうまかったんですよね。勝負強さっていうところは、どうなんだろうっていうところがありましたが、フットサルというものは、本当にうまいです。めちゃくちゃ。(田中)智基さんとか、(鷲北)一輝さん、(中村)友亮さん、マティさん(前鈍内マティアス・エルナン)とか。彼らと一緒にやって、またどれだけ自分がステップアップできるかは、楽しみですね。

――そして成長して、Fリーグ選抜の面々と会えるといいですね。
新井 そうっすね。また、みんなでやりたいですね。

――これから焼肉に行くそうですね。
新井 そうです。ガッツリ食いたいと思います(笑)。