日本代表FP清水和也がフウガドールすみだからエルポソ・ムルシアにレンタル移籍した。
2部でリーグを戦うエルポソ・シウダード・デ・ムルシア(通称:エルポソB)からのスタートになる。
トップチームの陣容は、スペイン、ブラジル代表が名を連ねる。フットサル大国スペインをけん引する名門クラブのひとつだ。
清水和也のレンタル先は、どんなチームなのか?
リーガを代表する名門エルポソ
エルポソは、インテル・モビスター同様にスペインを代表する名門のひとつだ。
ポルトガル代表FPリカルジーニョ擁するインテルがリーグ5連覇し、最近3シーズンのプレーオフ決勝がインテル対バルセロナとすっかりお決まりのカードになってしまった感があるが、エルポソが依然として歴史ある強豪であることに変わりはない。
1989年に始まったリーグにおいて、エルポソは初年度から今日に至るまで常にタイトルを争ってきた。約30年前からスペイン、ブラジルのフットサル大国を代表する優秀なタレントを集め、優勝争いを繰り返している。2000、2004年にスペイン代表としてワールドカップを制覇したスペイン代表FPキケ、2008年ワールドカップを制覇したブラジル代表キャプテンのFPヴィニシウスとセレソンの不動のピヴォであったFPレニージオ、スペインのフットサル創世記にアクロバティックなゴールでスタンドを沸かせた元スペイン代表FPパウロ・ロベルトなど数々の名手がエルポソのユニフォームに袖を通してきた。そしてクラブは、最多優勝の12回のインテルに次いで、5度のリーグを制覇している。フットボールにおいて、“エル・クラシコ(世紀の決戦、伝統の1戦)”といえばレアル・マドリード対バルセロナだが、フットサルではインテルとエルポソが対峙する時に“エル・クラシコ”と呼ばれる。同国のフットサルの歴史を語る上で、エルポソは不可欠なクラブだ。
世界一の監督とともに再出発をはかるエルポソ
エルポソにとって、今シーズンは変革の年となる。指揮官が変わった。
2001-2002シーズンからチームを率い、4度のリーグ制覇をもたらしたドゥダが昨シーズン限りで退団した。エルポソの選手としても活躍したブラジル人指揮官は、キケとヴィニシウスを中心に黄金期を築き、国内のタイトルを総なめにしたが、最近3シーズンはプレーオフ決勝にもたどり着けずにいた。
スペイン代表FPアレックス、ブラジル代表FPマテウスなど、下部組織にいる若いタレントを育て上げ、トッププレーヤーにするなど数々の偉大な業績を残した名将の後を引き継ぐのは、アルゼンチン人のディエゴ・グストシィだ。
現役時代はイタリア、スペインのクラブで活躍。2004年、2008年ワールドカップに出場し、母国の代表キャプテンも務めた。現役引退直後から指導者へ転身し、2013年末からアルゼンチン代表監督に就任した。彼の就任と同時にアルゼンチン代表は多くのタイトルを手にする。2014年にクウェートで行われたコンチネンタルカップ、2015年にエクアドルで開催された南米選手権を制覇すると、2016年にはコロンビアで開催されたワールドカップで世界王者の座を勝ち取った。
コートにいる全員が自分の役割をきっちりと理解した上でハードワークを行う。そんな規律あるディフェンスとボールを奪ってからの無駄のないショートカウンター。突出した個性も世界的なスターもいなかったが、ディエゴは、中期的なプロジェクトに沿って、計画的にチームを戦う集団に変貌させ、世界王者に導いた。
久しくリーグタイトルから離れているエルポソにおいて、母国を世界の頂点に導いた手腕に期待が集まるのは当然だ。ベテランのスペイン代表FPミゲリン、アレックス、ゴレイロのファビオ、そして26歳のブラジル代表FPピト、クロアチア代表FPマリノビッチ、そして日本代表の清水といったタレントを、アルゼンチン人指揮官がどう活かすのか。インテルの牙城を崩す存在として、エルポソは例年以上の高い注目と期待を集めている。
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